2023.07.20

空き家の有効な活用方法とは?人気の駐車場経営についても解説

空き家の活用方法として人気の駐車場経営をメインに解説しながら、ほかの活用方法の特徴についてもご紹介しています。
監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石 泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
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空き家を放っておくとどうなる?

「古い実家を相続したものの住む機会がない」「一戸建てに住んでいた親が高齢になり、施設に入った」といった事情から、空き家を抱えている人は近年増えているといわれます。こうした空き家を放置し続けた場合、考えられるのは次のような問題です。
・人が住まないので換気や修繕がされず、老朽化が進む
・倒壊して周囲の家屋に被害が及ぶ危険が大きい
・不法侵入されやすく、犯罪のリスクが高まる
さらに所有者自身も、住んでいないにもかかわらず固定資産税や火災保険料といった維持費を支払い続けなければなりません。近隣のためにも、自身のためにも、空き家を放置し続けることは得策ではないといえるでしょう。
こうした空き家は売却し、速やかに現金化するという選択肢もありますが、都心部や観光地など立地条件に恵まれている場合は、活用して継続的に資金を得ることも可能です。
そこで今回は、所有している空き家をどうするか悩んでいる方に向けて、おすすめの活用方法をご紹介します。納得のいく選択のために、ぜひ参考にしてみてくださいね。
●「空き家の活用」に関するよくある質問はこちら
空き家

空き家を活用する方法とは?

空き家を活用する方法は、「建物を貸す」「解体して土地活用する」という2つに分けられます。それぞれ詳しくご紹介しましょう。
古民家と女性

建物を貸す

空き家の老朽化が進んでいない場合は、次のような方法で賃貸住宅経営することができます。

賃貸一戸建て

空き家の状態がよい場合は、そのまま賃貸物件にすることが可能です。一戸建てはファミリー層の需要が高いので、一度借りると長く住み続けてもらいやすく、安定収入を得られるという傾向があります。
ただし、賃貸物件にすると、入居者が決まるまでは収入を得られません。そのため、賃貸物件として運用できる可能性はどのくらいあるか、事前にシミュレーションする必要があります。賃貸一戸建ての取扱実績が豊富な不動産会社に、賃料査定や仲介・管理などを相談してみましょう。
また、賃貸物件にする場合は、一戸建てのシェアハウスとして貸し出す方法もあります。シェアハウスは「仲間ができる」「賃料が安い」といった理由で近年人気があり、オーナーとしても複数人に貸し出せることから空室リスクを減らせるというメリットがあります。
シェアハウスにするには、水回りを共用部にして、寝室のみを専有部にするといったリフォームが必要です。つまり初期費用がかかることになりますが、「女性限定」「自転車好きの人向け」などコンセプトを明確にすると、入居率が高まり、初期費用も早く回収できるでしょう。

民泊

「民泊」とは、一般の民家を宿泊用に貸し出すことをいいます。安く泊まりたい旅行者や出張者のほか、近年では外国人旅行者からも「日本の生活を体験できる」と人気が高まってきました。
一方で、宿泊者のマナーやセキュリティ上の不安といったトラブルも指摘されてきたことから、現在では「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が制定されています。※1これによって、民泊を行う事業者は自治体への届け出が必要なほか、設備要件や営業日数の上限などを守らなければならなくなりました。
以上のことから、民泊は初心者が経営するにはハードルがやや高くなっていますが、地方自治体では移住促進のため、「田舎暮らしの体験施設」として民泊経営を支援する動きもあります。届け出については行政書士、運営については運営代行業者へ相談することもできますよ。

コワーキングスペース・シェアオフィス

リモートワークが浸透した今は、コワーキングスペースやシェアオフィスといった、会員制のワークスペースとしての活用もおすすめです。この場合は、通信環境を整備するほか、プリンターやシュレッダーといった事務機器の準備が必要になります。
会員数が増えれば安定した収入が見込めますが、集客までには時間がかかる傾向があるため、広告・宣伝活動をいかに行うかがポイントになるでしょう。

店舗貸し

空き家は、カフェやグッズショップなど、古民家の雰囲気をアピールした店舗として貸し出すことも可能です。ただし、店舗経営に不要なバスルームを撤去するといった、比較的自由なリフォームを認めることも必要となります。
そのため、事業者が撤退した後、完全な原状回復は期待できない場合もあることを心得ておきましょう。

解体して土地活用する

空き家の老朽化が進んでしまっている場合は、建物を解体し、更地にしてから土地活用する方法がおすすめです。更地にした後は、立地に合わせて次のような活用方法を選べます。
ちなみに、建物が建っていない更地のままにしていると、住宅用地の軽減措置が適用されず、固定資産税の負担が大きくなる点に注意しましょう。

アパート・マンション経営

土地活用のなかでも代表的なものが、空き家をアパートやマンションに建て替えて賃貸住宅を経営する方法です。
ただし、集合住宅を建てられるくらいの広い敷地である場合に限ります。また、建物の解体費用と建設費用という大きな初期費用がかかるため、収益が出るまでにはある程度の期間がかかります。さらに、「都心部で賃貸需要が高い」「駅やスーパーが近い」「子育て環境として良好」といった、賃貸住宅の経営に有利な立地条件も必要なので、それらに当てはまるかどうかも考慮しましょう。

駐車場経営

空き家解体後に始められる土地活用としては、駐車場経営という選択肢もあります。月極駐車場、あるいはコインパーキングの経営は、空き家の解体費用のほかは少ない初期費用で始められるのがメリットです。
こちらも賃貸住宅経営と同様、始める前には立地や周辺環境を考慮する必要がありますが、駐車場経営は賃貸住宅経営に比べると、多くの人にとって始めやすい可能性があります。そこで次項では、この駐車場経営についてさらに深く掘り下げてご紹介しましょう。

駐車場経営のメリットとデメリット

駐車場経営は、初心者にも始めやすいことから人気がある土地活用方法です。ここでは、駐車場経営の始めやすさにつながっているさまざまなメリットを、あらかじめ知っておきたいデメリットと併せてご紹介しましょう。
駐車場の車

メリット

駐車場経営が始めやすいといわれるのは、次のような多くのメリットがあるためです。

少ない初期費用で始められる

駐車場経営の大きなメリットは、初期費用の少なさです。賃貸住宅経営のように建物を建てる必要がないので、初期費用を捻出する余裕がない場合でも始めやすいといえるでしょう。
駐車場経営にかかる具体的な初期費用は、土地の整備費、料金精算機や看板などの設備費となります。土地の整備費は、アスファルト舗装に1㎡当たり4,000~5,000円程度、ほか土地の状況によって歩道の切り下げ工事が必要となる場合もあります。設備費については、自主管理にせず駐車場運営会社の一括借り上げとすれば、運営会社に負担してもらえます。一括借り上げとは、土地を駐車場運営会社に貸し、運営会社から毎月賃料を得るという経営方式のことです。
駐車場運営会社・三井のリパークでは、一括借り上げ方式のため駐車場経営に必要な看板や料金精算機、場内照明などの設備を土地の状況に合わせて適切に配置・費用負担しています。※1

短期間の準備で始められる

建物がいらない駐車場経営は、初期費用が少ないだけでなく準備期間も短く済みます。たとえば賃貸住宅経営の場合、物件の設計図の作成から建築、さらに入居者募集なども含めると、経営をスタートさせるまでに半年〜1年ほどかかるのが一般的です。空き家を取り壊さずに賃貸を始める場合でも、修繕やリフォームを行う必要があるため、やはり駐車場経営より時間がかかるでしょう。
三井のリパークでは、平面駐車場であれば契約から1~2ヵ月程度で駐車場の開設が可能です。※2
準備期間の短さは手軽なだけでなく、無駄をなくして収益を上げることにもつながるので、土地活用においては重要なポイントといえます。

狭い土地でも経営できる

賃貸住宅経営を行うには難しいような狭い土地・いびつな土地であっても、駐車場なら経営可能です。また、駐車できる台数が少なくとも、商業施設や病院の側といった駐車ニーズの高い立地であれば、安定した収入を得られる可能性は高いといえます。

撤退・転用もスムーズ

駐車場経営は撤退がしやすいところも、手軽に始められる理由の1つです。「思うように収益が上がらないので撤退したい」「相続する人がいないので売却したい」といったニーズが将来出てきた場合、利用契約者への事前通知、あるいは駐車場運営会社への解約申し込みのみで撤退できます。また、駐車場には建物がないので、ほかの土地活用への転用もスムーズです。
先に述べた賃貸住宅経営の場合は入居者と普通借家契約を結ぶと、貸主の一方的な理由で解約することができないため注意が必要です。

デメリット

駐車場経営には上記のようにさまざまなメリットがあり、初心者にもハードルの低い土地活用方法といえます。ただし注意したいのは、固定資産税の優遇措置を受けられない点です。
マンションやアパート、一戸建てなど住宅が建っている土地は「住宅用地」として固定資産税を減税してもらうことができますが、駐車場は住宅用地と見なされないため、評価額の満額を支払うことになってしまうのです。
駐車場経営を始める前には、この点を踏まえたうえで収支のシミュレーションを行うようにしましょう。なお、駐車場経営で得られる収入は消費税の対象であること、アスファルト舗装やフェンスの工事などの償却資産は固定資産税の対象であることを踏まえたうえで正しくシミュレーションを行うことをおすすめします。
また、駐車場経営が事業的規模と見なされる場合は、確定申告時の「青色申告特別控除」によって所得税から最大65万円の控除を受けられます。※3事業的規模にあたるかどうかの判断は、税理士への相談がおすすめです。

駐車場経営はプロに任せよう!

住まない空き家を放置することにはさまざまなリスクがありますが、活用すれば継続的な収入を得られる可能性があります。まずは空き家の状態を見て、建物を活用するか、解体するかの判断をしましょう。空き家を解体する場合、多くの自治体では補助金が支給されます。
解体後の土地活用のなかでも、手軽に始められるのは駐車場経営ですが、さらに手軽にするなら自主管理より駐車場運営会社の一括借り上げがおすすめです。管理業務を全てお任せできるうえ、経営状態にかかわらず毎月一定の収入を得られるという安心感があります。
三井のリパークでは、管理業務を全て代行するほか、設備費や維持費も全て負担。※2また、さまざまな導入プランがあるので、楽に土地活用したい方はもちろん、家を建てるまでの間や売却を待つ間だけ有効活用したいといった方にもおすすめです。駐車場経営に興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください!
●ご相談・お問い合わせはこちら
駐車する女性

「空き家の活用」に関するよくある質問

この記事では、住まない空き家を有効に活用する方法についてお伝えしてきました。以下はこの記事でお伝えしたポイントを質問形式でまとめたものです。

空き家を放っておくとどうなる?

倒壊や不法侵入などのリスクが発生しやすくなるほか、所有者は住んでいないにもかかわらず固定資産税や維持費を支払い続けることになるため、早めの対応が必要です。
●詳しくはこちら

空き家の活用方法とは?

空き家の活用方法は、建物を解体せずに活用するか、解体して更地を活用するかの2つに分かれます。建物の状況を見て、どちらが適切かを判断しましょう。
●詳しくはこちら

空き家解体後の土地活用方法とは?

主な土地活用には賃貸住宅経営が挙げられますが、手軽に始めるなら、初期費用も準備期間も抑えられる駐車場経営がおすすめです。
●詳しくはこちら
※1出典:国土交通省「住宅宿泊事業法(民泊新法)とは?」
https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/overview/minpaku/law1.html
(最終確認日:2023年3月23日)
※2立地等によってはお受けできない場合もございます。また、建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。
※3出典:国税庁「No.2072青色申告特別控除」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm
(最終確認日:2023年3月23日)
駐車場経営
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初期費用 設備費用 運用費用 0円
※立地等によってはお受けできない場合もございます。 ※建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさま(土地所有者様)のご負担となります。
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