駐車場トラブルは誰に相談する?
月極駐車場やコインパーキングなど、自身がオーナーとして運営する駐車場でトラブルが起きた際は、まず第三者への相談をおすすめします。主な相談先は以下の2つです。
・管理会社
・警察
それぞれ詳しく解説していきます。
管理会社
現在、駐車場経営をしている方は、管理会社に運営・管理を委託していることも多いでしょう。その場合は、トラブルが発生したら、管理会社への相談をおすすめします。管理会社は駐車場経営のプロフェッショナルなので、これまでの経験を生かしてトラブルに対処してくれるでしょう。
仮に管理会社の手に負えないトラブルでも、警察との連携やその後の対応についてのアドバイスが受けられます。管理会社を介せば、オーナーと利用者が直接かかわらずに済むため、さらなるトラブルを避けられます。
警察
車上荒らしや事故など、管理会社だけで対応しきれない大きなトラブルは、警察への相談も検討しましょう。警察には個人間の問題に介入しない「民事不介入の原則」があり、通常は私有地にあたる駐車場内で発生したトラブルには対応できません。
ただし、車上荒らしは刑事事件にあたるため、私有地内の出来事であっても警察が対応できます。また、民事の問題でも、警察に相談することは可能です。そのため、民事事件か刑事事件か判断がつかない場合は、一度警察へ相談するのがよいでしょう。
よくある駐車場トラブル3選
駐車場で起こりやすいトラブルは以下の3つです。
・車上荒らし
・はみ出し
・無断駐車
1つ1つ、詳しく見ていきましょう。
車上荒らし
車上荒らしとは、駐車中の他人の車に無理やり侵入し、物品を盗む犯罪行為のことです。侵入時に車が破損した場合は「器物損壊罪」、車内の物品が盗まれた場合は「窃盗罪」が成立します。これは前述した通り刑事事件にあたります。
また、車内に置かれたものだけでなく、ホイールやドアミラー、バンパーといった車のパーツが盗まれるケースも珍しくありません。車上荒らしは、商業施設やコインパーキングなどを問わず、どのような駐車場でも発生する恐れがあり、特に深夜から朝の時間帯に起きやすいといわれています。
はみ出し
はみ出しとは、指定された駐車スペースから車両の一部が外にはみ出した状態で駐車することです。車両が大きい場合や、運転者の駐車技術が低い場合に発生しやすいと考えられます。
はみ出し駐車は、隣の駐車スペースの利用を妨げ、通路をふさぐこともあるでしょう。これにより、ほかの利用者に迷惑をかけるだけでなく、車両が損傷を受けるリスクも高まります。また、白線ギリギリの駐車も危険なので、気を付けなければなりません。できるだけ駐車スペースの中央に車を停められるように運営・管理を工夫しましょう。
無断駐車
無断駐車とは、許可を得ずに他人の私有地や契約駐車場に車両を停める行為のことです。月極駐車場やマンション・アパートの専用駐車場で無断駐車が発生すると、契約者が駐車できず、トラブルに発展しやすいでしょう。また、私有地で無断駐車が発生した場合の扱いは民事事件です。そのため、警察の介入が難しく、当事者同士での解決が求められます。
しかし、商業施設や店舗の利用目的がない無断駐車は利用者の駐車を妨げ、業務に支障をきたすとして「威力業務妨害罪」が適用されることもあります。この場合は刑事事件として扱われ、警察に対応してもらえるでしょう。
「短時間だからよいだろう」と考えて、無断駐車を繰り返す人も一定数いますが、無断駐車は法律違反です。オーナーは厳正に対処しましょう。
駐車場トラブルの解決法3選
前述したよくある駐車場のトラブルは「車上荒らし」「はみ出し」「無断駐車」の3つでした。ここからはそれぞれに対応した解決策について解説していきます。
車上荒らしの解決法
駐車場内での車上荒らしを防ぐには、防犯カメラと照明の設置が効果的です。カメラがあると、「見られている」という意識が働き、犯罪の抑止力となるでしょう。また、車上荒らしが発生した際は、証拠として活用できます。さらに、照明があれば車上荒らしが起きやすい夜間の防犯に役立つでしょう。
定期的な巡回も、駐車場の安全性を高める有効な手段です。警備員や管理スタッフによる見回りは、不審者の発見だけでなく、利用者へ安心感を与えられます。さらに、利用者への注意喚起も効果的です。車内に貴重品を置かないように促す看板を設置すれば、車上荒らしの被害を最小限に抑えられるでしょう。
はみ出しの解決法
はみ出し駐車を防ぐには、駐車スペースの白線をはっきりと引き直すことが効果的です。見えにくい白線を塗り直せば、運転者が正確に駐車するための手助けになるでしょう。
また、案内板の設置も効果的です。はみ出しがないように注意喚起の看板を設置すれば、利用者への意識付けになります。さらに、車上荒らしと同様に定期的な巡回を行い、はみ出し駐車が発生していないかを確認するとよいでしょう。はみ出し駐車が発生していた場合は、管理会社に注意を促してもらうことで、利用者の意識向上を促せます。
無断駐車の解決法
無断駐車に対処するためには、コーンや張り紙の活用が効果的です。コーンを設置すれば、空きスペースが埋まり、物理的に駐車ができなくなります。また、張り紙で駐車禁止区域や無断駐車への警告を明示することで、利用者にルールを認識させられるでしょう。
駐車場トラブルでやってはいけない行為
駐車場トラブルは、オーナー1人で無理に解決しようとしてはいけません。特に、以下のような行為は行わないようにしましょう。
・自身で車を撤去する
・張り紙やタイヤロックをする
順番に解説していきます。
自身で車を撤去する
無断駐車の車両であっても、オーナーがレッカー車を手配して無理やり撤去することは、民法の「自力救済禁止の原則」に抵触します。
また、車両を撤去する際に、傷付けてしまう恐れもあります。この場合、損傷に対する賠償責任を負わなくてはなりません。無断駐車の車両でも、他者の所有物であることを忘れないようにしましょう。
張り紙やタイヤロックをする
車に注意喚起の紙をテープで貼り付けたり、タイヤロックを使用したりすることは控えましょう。
車体やフロントガラスにテープを貼り付けると、跡が残ったり、塗装やコーティングが剥がれたりすることもあります。タイヤロックも同様で、取り外し方を誤るとタイヤやホイールが傷付いてしまいます。状態によっては車の所有者から訴訟を起こされ、損害賠償を負うことになるかもしれません。
たとえば、張り紙をする際にはテープを使わずワイパーに挟む、管理会社に相談してから対処するなど、慎重な判断が必要です。
駐車場トラブルが起きたらまず管理会社に連絡しよう!
今回の記事では、駐車場トラブルが発生した際の相談先から解決策、トラブルを未然に防ぐ対策まで詳しく解説しました。駐車場トラブルが起きたときは、まず駐車場の管理会社に連絡しましょう。オーナーが1人で解決しようとすると、かえって大きなトラブルに発展する恐れがあるため、慎重に対処することが大切です。
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