2024.10.10

トランクルーム経営は儲からない?需要や収益などについて解説

トランクルーム経営は儲かりにくい理由があり、都市部ではほかに有効な土地活用方法もあります。今回は利回りが低い理由やおすすめの土地活用方法について解説します。
監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石 泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
https://www.izumi-ohishi.co.jp/profile.html

トランクルーム経営は儲からない?

所有している土地の活用方法を検討する際にトランクルーム経営を考える人も多いでしょう。しかし、実はトランクルーム経営は儲からない可能性もあるといわれています。トランクルーム経営の方式には、主に自分で全て行う自己経営方式のほかに、事業用定期借地方式、リースバック方式(一括借り上げ方式)、業務委託方式(管理委託方式)の3つが挙げられます。オーナーの運営への干渉度合いとしては「自己経営方式>業務委託方式>リースバック方式>事業用定期借地方式」となります。それぞれどのような違いがあるのかについては、以下の表の通りです。
運営方式 特徴
自己経営方式 ・設備の手配から運用、管理まで全て自分で行う
・初めての場合は知識を学ぶ必要もある
業務委託方式 ・管理会社に管理を委託して経営する
・経営に対してかかわれる部分が多い
・賃料の変化や空き状況が直接オーナーの収入に影響を与える点に注意が必要
リースバック方式 ・土地所有者がコンテナや諸設備の購入、設置を行い、トランクルーム経営の運営会社に貸し出す
・一括で借り上げて運営会社が運営・管理するため、安定した収益を得やすい
事業用定期借地 ・オーナーがトランクルーム経営の運営会社に土地を貸し出し、経営を専門業者が行う
・オーナーは運営会社から地代として一定の賃料を得るため安定した収益が確保できる
トランクルーム経営に伴う初期投資としては、屋外型あるいは屋内型のトランクルームの購入費用や、防犯カメラや看板などの購入・設置費用、工事費用などが挙げられます。維持費としては、固定資産税や光熱費などがあり、収益と支出のバランスを適切に保って経営していくことが求められます。
ここ数年で格段に増えているトランクルーム経営ですが、前述のように儲からない傾向があるといわれてしまう理由はなぜでしょうか?この記事では、トランクルーム経営が儲かりにくい理由やほかにおすすめできる土地活用について、分かりやすく解説していきます。
並んでいるトランクルーム

トランクルーム経営が儲からない傾向にある理由

トランクルーム経営が儲かりにくい理由としては、以下のものが挙げられます。
・月々の収入が少ない
・節税をしにくい
・競合が現れやすい
・場所を選ぶ
それぞれ詳しく解説していきます。

月々の収入が少ない

トランクルームは、1つあたりの面積が一般的な賃貸住宅の1部屋分と同じくらいですが、賃貸住宅に比べると賃料が安いため、月々に得られる売上が大幅に少ないことが一般的です。トランクルーム経営では、初めから多くの収益を期待せず、初期投資や維持費をいかに抑えられるかに注力しましょう。

節税をしにくい

トランクルーム経営を行っている土地の固定資産税には、小規模住宅用地または一般住宅用地における特例措置が適用されません。小規模住宅用地または一般住宅用地における特例措置とは、固定資産税が課税される1月1日時点で住居として利用されている土地の、固定資産税や都市計画税を減税するものを指します。しかし、トランクルームの場合は住居として認められないため、住宅を建てた場合と比べて固定資産税は3倍もしくは6倍に、都市計画税は1.5倍もしくは3倍になる可能性があるのです。そのため、通常の住宅よりも固定資産税として計算される割合が大きいことに注意しましょう。
●住宅用地における特例措置に関する詳しいサイトはこちら
通帳を見て頭を抱える女性

競合が現れやすい

働き方改革によるリモートワーク増加に伴い、オフィスの縮小で書類や備品などの荷物を預けるニーズが高まりつつあります。それに関連してトランクルーム経営の市場規模は拡大傾向にあり、物件数は年々増えているので、今後多くの競合が現れる恐れもあるでしょう。狭い地域のなかで、競合事業者と顧客を取り合う状況になる可能性があり、競合と差別化できるようなサービスや設備が求められることも予想されます。

場所を選ぶ

トランクルーム経営には場所選びが肝心です。競合のいない地域だと、需要がなく多くの利用者が見込めないかもしれません。一方、需要がある都市部だと競合が多く存在し、価格競争が起こる恐れがあります。それゆえ、トランクルーム経営を始める前に地域ごとのさまざまな要素を分析し、コンテナをいくつか設置できるくらいの理想的な広さの土地を探すことが必要になります。この点が、トランクルーム経営は難易度が高いといわれている理由の1つだといえるでしょう。
スマートフォン上の地図で場所を探す女性

トランクルーム経営で収益を出すには?

ここまでトランクルーム経営が儲からないといわれる理由について解説してきました。では、トランクルーム経営で、継続的な収益を出すにはどうすればよいのでしょうか?具体的な工夫としては以下のものが挙げられます。
・収支計画を細かく立てる
・立地を見極め、経営戦略を立てる
・ターゲットニーズに合ったサービスを用意する
詳しく見ていきましょう。

収支計画を細かく立てる

トランクルーム経営は、比較的売上が低い事業です。そのうえで利益を出すためには、なるべく支出を下げて利回りをよくする必要があるでしょう。そのためにも、毎月の費用の計算や将来の売上予想など、細かい収支計画を立てて計画的な経営を行うことが大切です。
お金と家計簿と電卓

立地を見極め、経営戦略を立てる

需要が見込まれない立地での経営は大きなリスクを伴います。立地によってトランクルームの需要に差があり、市場調査をしっかり行わなければ想定する集客ができず、収益も得られない恐れがあります。始める前にしっかりマーケットを見極めましょう。

ターゲットニーズに合ったサービスを用意する

トランクルームを利用するのはどのような人物なのかを理解し、ターゲットのニーズに合ったサービスやプランを提供しましょう。これには、市場調査や顧客調査などを踏まえて、統計をもとにしたターゲット理解が重要となってきます。さらに、ニーズに合ったサービスで競合他社との差別化やリピーターの期待などができるでしょう。

トランクルーム経営以外の土地活用で儲けるためには?

トランクルーム経営に向いていない立地の場合は別の土地活用を検討するのがおすすめです。土地活用の方法はトランクルーム経営以外にも、アパート経営や賃貸マンション経営、コインランドリー経営、駐車場経営など幅広い方法があります。土地活用で失敗しないために意識すべきポイントは以下の通りです。
・自分や土地の環境に適した土地活用を選ぶ
・長期的に考える
・実力のある不動産会社を選ぶ
それぞれ詳しく解説していきます。

自分や土地の環境に適した土地活用を選ぶ

土地活用を成功させるためには、自分や土地の状況を理解したうえで、適切な方法を取ることが重要です。予算や目的、リスクの許容度などについて考え、どのような土地活用なら自身の状況や立地に合った方法といえるのか判断して決めましょう。また、どのように土地を運営していくかについて考えることも大切でしょう。自分1人での運営もできますが、プロの目線を踏まえた判断ができるという点で、不動産会社と共に土地活用を行うのがおすすめです。

長期的に考える

数年単位で考えた際に、どの程度利益が得られそうかという見積もりを立てるのも、土地活用を成功させるための重要な要素です。特に建物や設備は時間が経過するにつれて劣化するもののため、定期的なメンテナンスができる状況か、どのくらいでいくらの収益を上げるかなど、長期的な目標や予想を立てることが大切になってくるでしょう。「目先の利益だけ追い求めて最終的に損をしてしまった」とならないように、不動産会社に相談しながら長期的な利益を目指しましょう。

実力のある不動産会社を選ぶ

初めて土地活用を始めるのであれば、共に土地を運営していく不動産会社の選択を慎重に行いましょう。経験や実績が豊富な、信頼できる不動産会社にサポートしてもらえれば、多方面から経営についてのアドバイスがもらえます。三井不動産リアルティでは、長年の経験や多種多様なサポートサービスをもとに、オーナーさま一人ひとりに合った土地活用を、懇切丁寧にご提案いたします。土地活用の方法にお悩みの方はぜひご相談ください。
●土地活用サービスALZOについてはこちら
握手する2人の男性

トランクルーム経営と駐車場経営のメリットを比較

土地活用のなかでも、より効率的に収益を見込める方法としておすすめしたいのが駐車場経営です。トランクルーム経営と比べて駐車場経営をおすすめできる理由は以下の通りです。
まず、投資リスクが挙げられます。駐車場経営は、トランクルーム経営に比べて初期投資が安い傾向があります。また、3つある運営方式のうち、土地を貸し出す一括借り上げ方式として運営すれば、稼働率に左右されず、土地の賃料として安定した収入が確保できるでしょう。
次に、土地の流動性という面があります。駐車場は、複雑な建築や大規模な設備の設置工事が必要ないため、何らかの理由で活用用途の変更や土地の売却が必要になった際でも比較的スムーズに転用できます。
最後に用途制限についてです。駐車場経営は、狭小地・変形地でも始められて、用途制限を受けません。一方で、トランクルーム経営の場合、用途制限を受ける恐れがあります。土地によっては想定していた方法で経営できない場合があるので、注意が必要です。
以上のように土地の活用方法にもさまざまな違いがあります。それぞれの特長を踏まえて、所有している土地に合った活用方法を選びましょう。なお、駐車場経営でも、運営管理会社のサポートを得ながら運営するのが安心です。
三井のリパークでは、設備の導入費やランニングコストを負担しているため、通常の駐車場経営に比べてさらに手軽に始められます。また、トラブルの対応業務も行っているため、安心して駐車場経営をしていただけます。広い土地の場合は、トランクルーム経営と駐車場経営の併存も可能です。三井のリパークでは1つの土地で複合的な活用方法も提案いたしますので、土地活用についてお悩みの際は、ぜひ三井のリパークへご相談ください。
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●土地活用のアイデアに関する記事はこちら
●トランクルーム投資のメリットやデメリットに関する記事はこちら
土地活用されたコインパーキング

土地活用のお悩みは三井のリパークへ

この記事では、トランクルーム経営が儲からないといわれることについて、ビジネスモデルやその理由をはじめとしたさまざまな切り口で解説してきました。トランクルーム経営は、ほかの土地活用と比較して需要を見つけるのが難しいため立地を慎重に選ばないと儲からないことがあります。 トランクルーム経営に向かない立地の場合は、駐車場経営をはじめとしたほかの土地活用方法を検討してみてはいかがでしょうか?駐車場経営は、トランクルーム経営と同様に始めやすい土地活用方法で、立地に合わせてコインパーキングや月極駐車場などが選べます。特に駐車場経営は、街中での需要が非常に高い傾向にあり、費用や条件といった観点からも手軽に始められるのでおすすめといえるでしょう。
また、初めて駐車場経営をする場合は、信頼性の高い駐車場運営会社に依頼することがおすすめです。三井のリパークでは、オーナーさまに対する手厚いサポート・サービスをご提供しています。初期費用の負担軽減から定期的な清掃やトラブルの対応まで、安心して駐車場経営が行えるようお手伝いいたします。※また、土地活用に関しても、三井不動産グループの総合力を生かしてお客さまに合った幅広い提案が可能です。失敗しない土地活用をしたいと考えている方はぜひ三井のリパークにご相談ください。
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※ 立地等によってはお受けできない場合もございます。また、建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。
駐車場経営
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