2024.09.12

アパート経営で必要な自己資金はいくら?初期費用や維持費用、リスクについても解説

アパート経営には初期費用の10~30%程度の自己資金が必要とされます。アパート経営の費用や内訳、リスクについて解説します。
監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石 泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
https://www.izumi-ohishi.co.jp/profile.html

アパート経営に必要な資金の目安

アパート経営を始めるにあたっては、多額の初期費用や維持費用がかかります。特に初期費用に関しては、アパートの建築費や取得費として多額の資金が必要です。
そのため、資金を十分に持っていないという方のなかには、費用の一部を金融機関からの借り入れによって補う方も多いでしょう。しかし、融資額が増えるほど支払う利子も増えるうえに、ある程度資金を持っていないと融資の審査も通りにくくなります。そのため、アパート経営を始める際には、初期費用の10~30%程度の自己資金を用意しておくと安心です
この記事では、アパート経営にかかる資金として具体的な初期費用や維持費用、ローンを組む際のポイントやアパート経営のリスクについて解説します。以降の内容をもとに、自身の土地や資金状況と照らし合わせながら、アパート経営を始めるかどうかの判断材料にしてみてくださいね。
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アパート経営における初期費用

まずはアパート経営を始めるにあたって重要な初期費用を見ていきましょう。アパート経営における初期費用を左右する要素は、以下の5つです。
・建築費用・取得費用
・税金
・保険料
・ローンの事務手数料・保証料
・登記費用

建築費用・取得費用

建築費用や取得費用は、アパート経営の初期費用において大きな割合を占めます。これらの費用は建築・取得するアパートの構造や大きさによって、必要となる資金額が大きく異なるため注意しましょう。たとえばアパートの一般的な構造は、木造(W造)、鉄骨造(S造)ですが、どちらの構造にするか、どれくらいの大きさにするかなどで坪単価による建設費用は大きく変わってきます。
また、立地や設備によってもかかる費用は異なるため、建設費・取得費については、その後の収益で補えるかどうか慎重に検討しましょう。

税金

アパート経営の初期費用にかかる税金は主に以下の4つです。
・印紙税
・不動産取得税
・登録免許税
・消費税

印紙税

印紙税とは、アパートの建築や購入に伴って契約書や領収書といった文書を作成した際に、印紙税法に基づいてその文書に課税される税金のことです。物件を購入・売却する際や、工事会社にアパート建築の請負を依頼する際の契約書が課税の対象となります。
印紙税は、契約金額が高くなるほど課税される金額もその分高額になります。しかし、建設工事請負契約書に関しては、2027(令和9)年3月31日までに作成されたものであれば軽減税率が適用され、本来の税率(本則税率)より課税金額が低くなります。具体的な税額については、以下のサイトをご覧ください。
●印紙税額の一覧表についてはこちら
●建設工事請負契約書の印紙税の軽減措置についてはこちら

不動産取得税

不動産取得税とは、土地やアパートの建築・購入などで不動産を取得した際に課される税金で、以下の式で求められます。
税額 = 固定資産税評価額(固定資産税の税額計算に使用される課税標準額) × 税率(4%)
なお、土地と住宅の取得については、2027(令和9)年3月31日までは軽減税率として3%が適用されるほか、条件を満たせばさまざまな軽減措置を利用できます。詳しくは各都道府県のサイトや、国土交通省、総務省のサイトなどを確認してみてください。

登録免許税

登録免許税とは、不動産を自分名義として登記する際に課税される税金のことで、かかる税金は以下の通りです。
登記する不動産  計算式
購入した土地 不動産の価額 × 2.0%(2026・令和8年3月31日までは1.5%)
新築した建物(新築アパート) 不動産の価額 × 0.4%
購入した建物(中古アパート) 不動産の価額 × 2.0%
詳細については以下のサイトから確認できます。
●登録免許税についてはこちら

消費税

アパートを建築した場合や、不動産を取得した場合は、課税対象となる価額の10%分の消費税が発生します。注意点として、課税対象となるのは建物部分の価格のみで、土地は含まれない点が挙げられます。なぜなら土地は消費されるものではなく、資本の移転であると見なされるためです。
加えて、消費税は不動産売買における仲介手数料や、住宅ローンの事務手数料、司法書士への報酬などにも課税されます。

保険料

アパート経営をする際には、予期せぬ自然災害やトラブルに備えて火災保険に加入する必要があります。火災保険料は必要不可欠な費用であるものの、アパートの建築・取得費用に加わると決して少なくない負担といえるでしょう。

ローンの事務手数料・保証料

ローンの事務手数料とは、ローンを借り入れする際に金融機関から求められる手数料のことです。事務手数料には、融資金額に対してあらかじめ決められた割合の金額を支払う定率型と、融資金額にかかわらず一定額を支払う定額型があります。
また、保証料とは、保証会社とローン利用者の間で交わされた契約に対して支払うお金です。保証会社と保証契約を結ぶことで万が一ローンが支払われなかった際に、保証会社が代わりとなって金融機関へ代金を一時的に返済してくれます。ただし、保証会社は一時的に立て替えた代金を別途ローン利用者から回収することになります。

登記費用

不動産登記時に支払う登記費用は、登録免許税と司法書士への報酬になります。不動産登記にはいくつかの種類がありますが、アパートを経営する方に関連する事項ですと、主に以下のようなものが挙げられるでしょう。
・所有権移転登記
・建物表題登記
・所有権保存登記
・抵当権設定登記・抵当権抹消登記
状況によって必要な登記が異なるため、事前に調べておくとよいでしょう。
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アパート経営における維持費用

アパート経営における維持費用を左右する要素は、主に以下の6つです。
・管理会社への手数料
・修繕・リフォーム費用
・借入金の返済
・税金

管理会社への手数料

アパートを維持するにあたっては、清掃や修繕などさまざまな管理業務が発生します。こうしたアパートの管理を業者に委託する場合、管理会社へ手数料を支払わなければなりません。管理会社に支払う管理手数料は、一般的に管理費・共益費などを含む家賃収入の5%程度とされています。ただし、家賃の高さや、部屋数の多さに応じて、支払う管理手数料は変動します。

修繕・リフォーム費用

アパートの大規模修繕は、一般的に約10~15年おきに行われるのが目安です。通常の老朽化に加え、自然災害により被害を受けることも考えられます。建物の資産価値を維持するためにリフォームを検討している場合は、支出がより増える可能性があるでしょう。

借入金の返済

アパート経営を始めるにあたって融資を受ける場合、毎月発生する借入金の返済も維持費の1つといえます。融資が長期的かつ融資金額が高額であるほど支払う利子も増えるため、融資を受ける際は融資期間や金額について慎重に検討するようにしましょう。

税金

アパートの維持に際してかかる税金はおおまかに以下の3つです。
・固定資産税
・都市計画税
・所得税

固定資産税

固定資産税は、土地と建物それぞれについて毎年納付する必要があります。計算式は以下の通りです。
固定資産税 = 固定資産税評価額 × 標準税率(1.4%)
標準税率は自治体により異なる場合があるため、各自治体のホームページを確認しましょう。また、固定資産税評価額は3年おきに見直され、土地の場合は公示価格の70%程度、建物の場合は再建築価格の50~70%を目安に算定されます。詳しくは国土交通省のサイトを確認してみてください。

都市計画税

都市計画税とは、都市計画事業や土地区画整理事業を行う区域内にある土地や家屋に対して、その事業に必要となる費用に充てるために市町村が設定する税金のことです。都市計画税を課税するかどうかは、それぞれの地域における都市計画事業などに応じて、市町村が判断することになっています。具体的な計算式は以下の通りです。
都市計画税 = 固定資産税評価額 × 制限税率(0.3%以下) ※市町村の条例による

所得税

所得税は、年間の不動産所得が20万円以上の場合、課税の対象となります。不動産所得とは、不動産にかかわる総収入から、固定資産税や保険料といった経費を差し引いたもののことです。もし、不動産所得以外にも所得があれば、それらの所得と不動産所得を合わせた金額が所得税の対象となります。また、不動産収入がマイナスの場合、ほかの所得と合わせて損益通算することも可能です。詳しくは以下のサイトを確認してみてください。
●損益通算についてはこちら
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アパート経営における資金の調達方法

アパート経営を始めるにあたって、ローンを組む方も多いでしょう。しかし、住宅用のローンとは少し異なることに注意が必要です。住宅ローンは、あくまで自分が住む用の不動産を購入するためのローンです。アパート経営のような不動産投資をするにあたって自己資金が足りない場合は、不動産投資用ローンを利用します。アパート経営における資金調達方法としては、主に以下のような方法があります。
・アパートローン
・プロパーローン
いずれのローンにおいても、利率は住宅ローンよりも高くなります。また、プロパーローンはアパートローンと比べ、融資金額や用途に関する自由度が高い分、ある程度の自己資金が必要であったり、融資期間が短かったりするという注意点があります。
どのような不動産投資用ローンを利用するかは、融資期間や金額、自己資金などと照らし合わせながら、慎重に選択するようにしましょう。
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アパート経営の資金にかかわる!ローンを組む際のポイント

アパート経営の資金調達のためにローンを組む際は、以下の点に注意しましょう。
・融資金額
・融資期間
・金利タイプ
融資金額や融資期間については、自己資金やかかる費用を見積もり、どの程度が適切か検討しましょう。自己資金や家賃収入、希望融資金額などと併せて、現実的に返済可能かどうかを確認することがおすすめです。また、金利には市場の動向によって金利が見直される変動金利と、一定期間金利が変わらない固定金利の2種類があります。返済期間や返済計画に応じて、どちらが適しているか判断するようにしましょう。

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資金と併せて知っておきたいアパート経営のリスク

アパート経営のリスクは、主に以下の通りです。
・初期費用が高額
・維持管理・修繕費がかかる
・空室が多くなる可能性がある
順番に詳しく見ていきましょう。

初期費用が高額

アパート経営を始める際には、アパートを建築もしくは取得する必要があるうえ、さまざまな税金もかかります。融資を受けることである程度軽減できるとはいえ、アパート経営にかかる初期費用は決して少ない金額ではありません。また、最終的に採算が取れるかという見通しを立てにくいことも、アパート経営の難しさでしょう。

維持管理・修繕費がかかる

建物の老朽化は避けられるものではありません。入居者に快適に住み続けてもらうためには、修繕・管理が必要です。新しい入居者に魅力的に思ってもらうためにも、設備交換や修繕にかかる費用は必要不可欠でしょう。

空室が多くなる可能性がある

思うように入居者が見つからず空室が多くなってしまった場合、かかる費用に対して十分な収益が得られない可能性があります。アパート経営を検討する場合は、事前にニーズのある立地や間取り、設備などを調査し、相場に合った家賃設定を行う必要があるでしょう。
アパート経営は成功すれば多くの収入が見込める反面、経営がうまくいかず思うような収入が得られない恐れもあります。特に大きなお金が動くアパート経営は、慎重に検討すべきでしょう。
●アパート経営で失敗するケースや対策に関する記事はこちら
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アパート経営の資金が不安なら駐車場経営も検討しよう

これまで、アパート経営に必要な資金について、初期費用や維持費用の面から解説してきました。経営が成功すれば多くの収入を得られますが、初期費用や維持費用が高いため、ローンを組む場合はそれらの返済に関するリスクも考えなければなりません。
アパート経営は「リスクがあっても、多くの収益を得たい」という方には向いていますが、「少ないリスクで、安定した収益を得たい」という方にとってはあまり向かないでしょう。このような方におすすめなのが、駐車場経営です。
駐車場経営のメリットは、初期投資額の低さと安定した収益性にあります。加えて、設備の設置や撤収も容易であるため、「ほかの土地活用に切り替えたい」と思った場合にも、スムーズに転用可能です。また、アパート経営のように建物を建てる土地活用方法と比べ、土地の形状や面積の大小にかかわらず柔軟に対応できる点も魅力といえるでしょう。
三井のリパークでは、土地活用の無料相談から、駐車場経営の運営まで、一貫してサポートしています。※また駐車場経営には自主管理方式、管理委託方式、一括借り上げ方式の3つの経営方法があります。土地を貸し出し、賃料として運営会社から収入を得る一括借り上げ方式であれば、毎月安定した収益を得ることができ、運営に必要な設備の設置も無料で行ってくれるため、リスクを抑えて始めることが可能です。その後の運営・トラブル対応まで代行しているため、土地活用が初めての方でも安心して始められます。
土地活用の方法でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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※立地等によってはお受けできない場合もございます。また、建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。
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