2024.08.23

空き家の解体の補助金制度とは?費用や条件まで解説

空き家の解体の際、場合によっては各自治体の補助金制度を利用できることがあります。本記事では、補助金の種類や金額、空き家解体のメリットなどを解説します。
監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石 泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
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空き家解体における補助金の目的とは?

空き家を所有している人のなかには、解体を検討されている方がいらっしゃるのではないでしょうか?さらに、「空き家の解体にかかる費用を抑えるにはどうすればよいか」「空き家を解体するのに利用できる補助金はあるのだろうか」といった、具体的な方法を知りたいとお考えの場合もあると思います。
まず、空き家の解体時には、自治体からの補助金を受けられる可能性があることを知っておきましょう。この補助金は、国土交通省の「空き家再生等推進事業」によって、国から自治体へ、そして自治体から個人へと交付される仕組みになっています。
空き家解体における補助金制度の目的としては、街の景観保全、倒壊や犯罪の防止などが挙げられます。たとえば、空き家を放置しておくと老朽化によって街の風景が悪化してしまいますし、倒壊や火災、不法投棄などによって近隣住民に被害が及ぶ恐れもあります。犯罪の温床となる可能性も否定できません。
今回は、空き家の解体に利用できる補助金の種類、解体にかかる費用、空き家を放置することのリスクについて詳しく解説していきます。
●空き家再生等推進事業についてはこちら
放置された空き家

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空き家解体に利用できる補助金の種類

空き家解体時に利用できる補助金は、以下の通りです。
・老朽危険家屋解体撤去補助金
・建て替え建設費補助金
・都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金
それぞれがどのような補助金なのか、順番に解説していきます。
家にまつわる補助金のイメージ

老朽危険家屋解体撤去補助金

「老朽危険家屋解体撤去補助金」とは、老朽化により倒壊の恐れがある空き家の解体を促すための制度です。人が住んでおらず古くなった空き家は、適切な換気がなされないため劣化しやすく、手入れや修繕も行われないことから、倒壊につながる恐れがあります。このような空き家を自治体が審査して解体が必要と判断した場合、老朽危険家屋解体撤去補助金が適用されるのです。
この補助金制度では、申請の前に自治体による老朽危険家屋にあたるかの現地調査があるため、まずは空き家の所在地を管轄する自治体に問い合わせることをおすすめします。また、この補助金の支給額は、一般的に解体費用の1/5~1/2程度といわれていますが、自治体ごとに判断が異なるため、併せて確認しておきましょう。

建て替え建設費補助金

「建て替え建設費補助金」とは、耐震面で問題がある建物を建て替える際に受けられる補助金です。解体費用だけでなく、建築費用も一部支給されるのが特徴ですが、自治体によって細かい条件が決まっており、支給額も異なるため、事前の確認が必要になります。

都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金

「都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金」とは、街の景観を守る目的で交付される補助金制度です。この制度を利用する場合は、空き家の解体工事後に、街の景観形成基準を満たす土地利用をしなくてはならないのが特徴です。支給額は解体費用の1/5~1/2程度といわれていますが、ほかの補助金制度と同様に、自治体に問い合わせて確認をしましょう。
なお、お伝えした各補助金制度は、自治体によって異なる名称で運営しているケースがありますので、調べる際には「老朽家屋の解体への支援、補助金」といった主旨で検索してみましょう。
電話とネットで問い合わせる様子

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空き家解体に利用できる自治体ごとの補助金

ここからは、各自治体で利用できる補助金の具体例を見ていきましょう。今回は、6つの地域を紹介します。
地域 空き家解体の補助金制度 補助金額
東京都荒川区 古い空き家住宅の解体費助成 解体費用の2/3かつ上限100万円
神奈川県横浜市 住宅除却補助制度 以下のうち、最も低い額
・20万円(課税世帯)
・40万円(非課税世帯)
・対象建築物の延べ面積(㎡)×13,500円/㎡に1/3を乗じた額
・対象建築物の除却工事に要する費用に1/3を乗じた額
埼玉県行田市 老朽空き家等解体補助制度 解体費用の1/2以内かつ上限30万円
千葉県銚子市 銚子市危険空家等除却事業補助金 解体費用の4/5以内かつ上限100万円
大阪府和泉市 老朽危険空家等除却補助金 上限40万円
北海道苫小牧市 空家等解体補助金 解体費用の1/2かつ上限50万円
上記の通り、補助金制度や金額の種類は地域によってさまざまです。空き家の解体時に補助金を利用したい場合は、各自治体のホームページでどのような補助金制度を実施しているか、事前に内容を調べることをおすすめします。検索しても分からない場合は電話で問い合わせて、知りたいことを直接尋ねてみるのもよいでしょう。
また、補助対象になる空き家の要件は各自治体で制定されていますが、「先着〇件まで」「予算の上限に達し次第終了」などと、補助金の適用数や予算に限りがある場合、補助金の要件に該当しても補助金は交付されないというケースがあります。このように、必ずしも補助を受けられるわけではないということに留意して、自分に該当する自治体の情報を確認しましょう。
全国の自治体と補助金をイメージした地図と電卓

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空き家解体にかかる費用相場

空き家の解体費用は、さまざまな要因によって大きく変動します。変動の主な要因は以下の通りです。
・構造
・面積
・築年数
・敷地の形状
・アスベストの有無
・廃棄物の量
・依頼する解体業者
仮に、30坪の木造二階建てを解体したとしましょう。建物本体の解体にかかる費用の相場は90万~150万円程度といわれています。しかし、この金額はあくまで目安であり、前述した主な要因(構造、面積、築年数、敷地の形状、アスベストの有無、廃棄物の量、依頼する解体業者)などによって大きく変動するものと踏まえておきましょう。
加えて、建物本体以外の解体作業(ブロック塀や浄化槽の除去作業など)が発生する場合は、追加で付帯工事費が発生するため、やはり実際にかかる総額は個々の空き家の状況によると考えたほうがよさそうです。
また、面積は同じでも構造が異なる「平屋」と「二階建て」を比べると、平屋のほうが解体費用が高くなる傾向にあります。これは、平屋のほうが基礎部分や屋根の面積が広く、解体にかかる手間が大きくなるためです。
空き家の解体費用については以下の記事に詳しい解説がありますので、併せてご覧ください。
●家の解体費用に関する記事はこちら
空き家の解体工事イメージ

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空き家を解体するメリット

空き家を解体する大きなメリットは、空き家の保全にかかる手間がなくなることです。空き家の維持や管理には多くの時間と労力、費用が必要で、具体的には建物の修繕や庭の手入れ、防犯の工夫など、項目は多岐にわたります。さらに、遠方にある空き家の場合は、長時間の移動や高額な交通費の負担が増えるなど、空き家に関する悩みは尽きません。
このように、使う予定のない空き家を保有し続けることは、所有者にとって負担になるため総合的におすすめできません。空き家の維持にかかるさまざまな手間と出費をなくすためにも、解体は早めに検討するべき事項といえるでしょう。

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空き家を解体しないことによるリスク

では、空き家を解体せずに放置すると、どのようなリスクが生まれるのでしょうか?主な問題点は次の通りです。
・景観悪化のリスク
・不法投棄のリスク
・不法占有のリスク
・犯罪に遭うリスク
・害虫や害獣発生のリスク
空き家をそのままにしてしまうと、建物の老朽化や手入れのされない草木によって、街の景観が悪化する恐れが出てきます。また、空き家の放置による景観の悪化は、犯罪やごみの不法投棄を誘発する大きな要因にもなります。特に、不法投棄のごみによって不衛生な状態が常態化すれば、近隣にも多大な迷惑をかけてしまうでしょう。
ほかにも、放置された空き家に第三者が不法侵入したり住みついたりする恐れもあり、そうなると、窃盗や放火の危険性が出てきます。犯罪組織の温床になれば、地域の治安を脅かす一因にもなりかねません。さらに、空き家の放置により害虫や害獣が発生すると、近隣住民の生活環境に悪影響を及ぼします。実害が出た場合には損害賠償を請求されるケースも考えられるため、注意が必要です。
空き家を放置すると、税金面でも苦労する可能性について触れておきましょう。たとえ空き家でも、建物が建っている土地であれば、更地と比較して固定資産税が軽減されるという「空家の固定資産税優遇措置」があります。しかし、2015年に国が空き家対策として制定した「空家等対策特別措置法」では、きちんと管理されておらず、さまざまな審査項目において不適切と見なされた空き家は「特定空家」と認定され、固定資産税が更地と同様の税率で課税されることになりました。
このように空き家の放置には多くのリスクが存在するため、空き家は早めに解体することをおすすめします。
放置しておくとリスクが大きくなっていくイメージ

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空き家解体後の土地活用なら駐車場経営!

ここまで、空き家の解体時に利用できる補助金制度や、空き家を放置するリスクなどを解説してきました。
空き家管理のあらゆる苦労から解放されるには、できるだけ早期に空き家を解体するのがおすすめです。そして具体的に動き出す際は、自治体による補助金や助成金が適用できないかを調べ、活用をぜひとも検討しましょう。対象になる補助金や助成金の制度は、各自治体のホームページで調べることができます。
ただし、空き家を解体して更地になると、固定資産税や都市計画税の軽減措置が利用できなくなるという側面もあるため、空き家解体後の土地で収益を上げる「駐車場経営」について知っておくと、安心材料の1つになるでしょう。
空き家解体後の土地を活用して収益を上げる駐車場経営には、いくつかの方法がありますが、なかでも「一括借り上げ方式の駐車場経営」をおすすめします。その理由は以下の通りです。
・初期費用が安く、初心者でも始めやすい
・別業態や住宅建設などへの転用性が高いため、一時的な土地活用にも向いている
・「一括借り上げ方式」なら、駐車場運営会社に土地を貸し出した後は管理や運営全般を任せられる
・毎月安定した収入が得られる
三井のリパークでは、この「一括借り上げ方式での駐車場経営」を承っております。特に、駐車場経営に必要な機器費用・設置費用・運営管理費用は全て0円と、コストを大幅に抑えられる点は、一括借り上げ方式の大きなメリットです。
また、三井のリパークは三井不動産グループの一員であるため、駐車場経営を終えられた土地を売却したり、別業態に転用したりする場合のサポートも可能です。空き家解体後の土地で、まずは駐車場経営を検討したいとお考えの際は、ぜひ一度ご相談ください。※
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●駐車場経営にかかる初期費用や経営方法に関する記事はこちら
※ 立地等によってはお受けできない場合もございます。また、建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。
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