家の解体費用の相場は?
相続した家や、所有している空き家の解体を検討している人のなかには、「家の解体にかかる費用はどのくらいだろう?」「解体まで、どのような流れで進むのだろう?」と不安に思う方もいるでしょう。使わない家は、管理のコストが高くなるだけでなく、所有することで固定資産税や都市計画税などの税金が発生し続けます。よって、現在使い道のない家は、解体して土地活用として収益化させるのがおすすめです。
この記事では、家の解体にかかる費用や流れ、家を解体する際に使える補助金制度と併せて、家を解体した後の土地活用方法の1つである駐車場経営までを解説いたします。
家の解体費用が決まる5つの要因
家の解体費用はさまざまな要因によって変動します。変動する主な要因は以下の5つです。
・構造
・敷地の形状
・廃棄物の量
・アスベストの有無
・依頼する解体業者
それぞれの要因について、詳しく見ていきましょう。
構造
解体費用は、家の構造材と広さによって異なり、硬い構造であるほど高くなる傾向にあります。木造建築の場合の解体費用相場は以下の通りです。
構造 |
坪単価 |
20坪の解体費用 |
30坪の解体費用 |
40坪の解体費用 |
木造 |
3~5万円 |
60~100万円 |
90~150万円 |
120~200万円 |
※上記の建物の解体費用(3~5万円/坪)は、あくまで目安です。敷地の形状、接道、隣地との密集度等により変動する場合があります。
また、建物の解体費用以外に、仮設工事や外構撤去、アスベスト撤去、浄化槽撤去、重機回送等の費用が場合により別途発生します。依頼する解体業者によって異なりますので、ご注意ください。
また、総坪数は同じでも、たとえば40坪の平屋と20坪の土地に建っている2階建ての家を比較したとき、一般的には40坪の平屋のほうが解体費用が高くなります。その理由として、2階建てのほうが基礎部分や屋根の面積が小さく、解体の手間が少なくなるためです。なお、基礎部分とは、家を1番下で支える土台の部分を指します。
敷地の形状
敷地の形状も、解体費用を左右する1つの要因です。敷地が狭く、解体するための重機が入りにくかったり、家が隣地と近く接していたりすると、多くの人手や労力が必要になるため、主に人件費がかさみ、解体費用が高くなる場合があります。
とはいえ敷地の形状は変えられないので、その状況を踏まえたうえで、解体費用を多めに見積もっておくことが大事です。後ほど紹介する補助金制度を利用すれば、解体にかかる費用を抑えられる場合もあるので、ぜひ活用しましょう。
廃棄物の量
家の解体時に発生する廃棄物の量によっても、解体費用は変わります。なぜなら、廃棄物の量が多いほど、運搬や処分にかかるコストが増すからです。廃棄物処理のルールは、建設リサイクル法をはじめ複数の法律によって厳しく設けられており、解体後に作業員の手で細かく分別をしなくてはならないケースもあります。
アスベストの有無
アスベストが使用されている家は、使用されていない家に比べて解体費用が高額になるのが一般的です。アスベストとは、『石綿(「いしわた」「せきめん」)と呼ばれる』複数の天然鉱物の総称で、繊維がきわめて細く、吸い込むと身体に悪影響を及ぼす危険性があります。耐熱性や耐久性が高いことから、かつては住宅や自転車の部品として使用されていましたが、労働安全衛生法によって2006年9月1日以降は使用禁止になっています。
労働安全衛生法の改正以前に建てられた家には、アスベストが使用されている恐れがあり、事前の調査や、場合によってはアスベスト除去作業が必要になります。アスベストの除去にかかる費用の相場はアスベストの危険度や除去する場所によっても異なりますが、300㎡以下の場合、2万~8万5,000円/㎡で、たとえば処理の必要な面積が200㎡の場合、400万~1,700万円の費用がかかる計算です。※1
依頼する解体業者
解体費用は家の解体を依頼する業者によっても変わります。業者ごとにサービス内容や質が異なるケースもあるので、まずは複数の会社を比較し、信頼できる会社に依頼することが大切です。
家の解体工事を依頼する流れ
ここからは、家の解体工事を依頼する際の手順を見ていきます。解体工事の依頼には、大きく分けて以下の4つのステップがあります。
・見積もり依頼と業者選定
・解体工事前の準備
・解体工事
・解体工事後の手続き
見積もり依頼と業者選定
まずは複数の業者に家とその周辺の現地調査を依頼し、見積もりを出してもらいましょう。現地調査は、依頼者の立ち会いが必要な場合もあるので、事前に日程調整をしておくと安心です。また、業者を選定する際は、価格が適切か、サービス内容に満足できるか、保有資格があるかなどの点にも注意しましょう。複数の業者を比較し、依頼先が決まったら必要事項を確認のうえ、契約を結びます。
解体工事前の準備
解体工事が始まる前に、済ませておくべきことがいくつかあります。それはまず電気や水道、ガスなどのライフラインの停止です。ライフラインを停止する際は、解体工事の作業員が水道を使用する場合もあるので、停止するかどうか、停止するならタイミングはいつかなど、解体業者と事前に相談しておきましょう。また解体工事では、騒音や振動で周辺に迷惑をかけてしまうことになるため、近隣住民にあいさつをし、理解を得ておきましょう。
解体工事
そしていよいよ、解体業者の作業員に家を解体してもらいます。家の解体は一般的に以下のように進みます。
[ 1 ] 足場と養生の設置
[ 2 ] 家屋内の残留物の撤去
[ 3 ] 建物の解体
[ 4 ] 廃材処理
[ 5 ] 整地
なお、建物を取り壊した後に土地を整地しておくことで、土地が高く売れたり、土地活用の選択肢の幅が広がったりします。将来のためにも、解体工事で整地してもらうのがおすすめです。
解体工事後の手続き
家の解体が完了したら、近隣住民に工事完了のあいさつをして、建物滅失登記の申請をします。工事完了後の近隣住民へのあいさつはなるべく早めに行うようにしましょう。工事完了から時間がたってしまうと、万が一トラブルが起きた際に、業者に対応してもらえないケースがあるためです。
また、建物滅失登記は、建物の滅失から1ヵ月以内に行ってください。申請を怠った場合、10万円以下の過料の対象になる恐れがあるため、注意が必要です。
家の解体費用を抑えるには補助金を活用しよう
家の解体費用は、補助金を活用することで抑えられる可能性があります。受けられる補助金は自治体によって異なりますが、一般的に、解体費用の1/2~1/5程度が支給されます。家を解体するにあたっての代表的な補助金としては、以下があります。
・老朽危険家屋解体撤去補助金
・建て替え建設費補助金
・都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金
解体対象の家がその自治体でどのような補助金を受けられるのか、確認しておきましょう。また、補助金の申請には複数の条件があり、必ずしも補助を受けられるわけではありません。自治体によって条件が異なりますので、事前に調べておくことをおすすめします。
家を解体するメリット
家を所有していると管理のための費用が発生しますが、解体すれば管理費を減らせます。また費用面だけでなく、家の解体後は庭の手入れや家屋の掃除をする必要がなくなるため、時間的なコストも減らせます。
家を解体する際の注意点
家を解体すると、これまで対象だった減税措置が受けられなくなることがあります。また、高額な解体費用がかかってしまうこともあるため、事前に理解しておきましょう。
建物がある状態であれば、固定資産税は1/6、都市計画税は1/3まで軽減措置の対象になりますが、家を解体して更地にすると、この減税措置を受けられなくなります。ですから解体後に、どのように土地活用をするのか、あらかじめ考えておくことが大切です。
また、まとまった費用が必要になるため、家の解体費が家計の大きな負担になることもあります。事前に見積もりを取り、費用やサービス内容を十分確認して、慎重に業者を決めましょう。
家を解体した後の土地活用なら駐車場経営!
ここまで、家の解体にかかる費用や受けられる補助金制度、解体の際の注意点などを解説してきました。家を解体することで、土地が売却しやすくなったり、維持する手間や時間的なコストを削減できたり、さまざまなメリットがあります。一方、更地にすると、固定資産税の減税措置を受けられなくなるので注意が必要です。解体後の流れをスムーズにするために、事前に土地活用の方法を検討しましょう。
解体後の土地活用には、費用が安く、初心者でも簡単に始められる駐車場経営がおすすめです。一括借り上げ方式であれば、運営や管理まで駐車場運営会社が行うため、自分で行う作業がほとんどなく駐車場経営の知識がなくても安心です。また、一括借り上げ方式では土地を運営会社に貸すことで、毎月決まった賃金を受け取れるため、安定した収入を得ることができます。
三井のリパークでも、一括借り上げ方式での駐車場経営を承っており、機器費用、設置費用、運営管理費用が全て0円です。コールセンターは24時間365日対応しています。土地活用の方法を検討している方は、ぜひ気軽にご相談・お問い合わせください※2
●駐車場経営・土地活用に関するご相談・お問い合わせは
こちら
●駐車場経営にかかる初期費用や経営方法に関する記事は
こちら
※2 立地等によってはお受けできない場合もございます。また、建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。