2024.04.25

コインランドリー経営は儲からない?メリットやデメリット、開業にはいくら初期費用がかかるのかも解説

コインランドリー経営はその高い利回りが魅力的ですが、初期費用の高さはデメリットといえます。今回はコインランドリーのメリット・デメリットや、そのほかの土地活用方法について解説します。
監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石 泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
https://www.izumi-ohishi.co.jp/profile.html

コインランドリー経営は儲からない?

コインランドリー経営は、定番的な土地活用方法の1つではありますが、儲かるかどうかは経営者によって結果がまちまちで差の大きい経営といえるというのが結論でしょう。その理由としては、「開業にかかる初期費用が高額になるケースが多い」「立地によって収益が左右しやすい」といった特徴があるためです。
この記事では、コインランドリー経営のメリットや、コインランドリー経営に向いている人・立地について詳しく解説していきます。併せて、手軽で低リスクな土地活用法である駐車場経営とも比較して紹介しますので、ぜひ最後までご覧くださいね。
コインランドリー

コインランドリー経営のデメリット

コインランドリー経営の主なデメリットは以下の通りです。
・初期費用が高い
・競合が多い
・無人経営ができない場合がある
・立地に左右されやすい
・利用者トラブルが起こることがある

初期費用が高い

コインランドリー経営の初期費用は、駐車場経営やトランクルーム経営といったほかの土地活用方法と比べて高い傾向にあります。店舗の規模や設備の導入費用などにもよりますが、もし自身の土地にコインランドリーを建てる場合、2,000万~5,000万円程度かかるのが一般的でしょう。
一例として、20坪の床面積でのコインランドリー経営を考えてみましょう。この面積では、設置できる機器の台数は12~16台ほど、洗濯機や乾燥機の機器代は、設備のスペックにもよりますが合計2,000万~3,000万円程度となるのが一般的です。それ以外の費用として、内外装工事や給排水工事、電気工事費などがあり、これらは600万~1,600万円程度の費用が見込まれます。

競合が多い

コインランドリー経営は、競合が多いことも注意が必要です。たとえば、住宅地はコインランドリー経営に最適な立地といえますが、同時にこうした人気の地域には競合が多い傾向があります。
また、コインランドリー経営は競合との差別化やリピーターの確保が難しいという特徴があります。差別化の手段としては以下のような対策があるものの、付加価値提供に伴う支出・維持費は、客単価が高いとはいえないコインランドリー経営にとっては負担が大きいでしょう。
・高性能機種の導入
・利用価格の値下げ
・待ち時間に利用できるスペースの設置や自販機の充実など
・ペット用品専用のコインランドリーの設置
無人経営が難しいコインランドリー経営

無人経営ができない場合がある

コインランドリー経営というと、無人で運営しているイメージがある方も多いかもしれませんが、実際には完全な無人経営は難しいとされています。なぜなら、室内の清掃や洗濯・乾燥機器の清掃、洗剤の補充など、人手が必要なシーンが多いからです。
洗濯後の洗濯物を回収せず、次の利用者の利用を妨げるといった慢性的な利用者トラブルが起きている場合、利用者離れにもつながりかねないという観点からも、保守・運用の人件費は必要といえるでしょう。

立地に左右されやすい

先述した通り、コインランドリーは差別化が難しく、立地で売り上げが左右されやすい土地活用法です。コインランドリーに適した立地の例は以下の4つです。
・家族層の生活圏内
・単身者層の生活圏内(賃貸住宅の多いエリア)
・商業施設の近く
・車でのアクセスが良好
コインランドリーは、自宅に洗濯機がない単身者のほかに、夜しか洗濯ができない共働き世帯、家族の人数が多く自宅で洗濯・乾燥する負担の大きいファミリー層がターゲットとなります。また、ターゲット層にとっては、買い物のついでに立ち寄れたり、まとめて洗濯物を持って行く際に車で行けたりといった利便性が重視されやすい傾向にあります。
従って、そのような需要を満たせる立地に出店することがコインランドリー経営成功のポイントといえるでしょう。逆にいえば、需要のない地域に無計画に出店した場合、経営が失敗する可能性が高くなるため注意が必要です。

利用者トラブルが起こることがある

洗濯の終了後時間が経過しているにもかかわらず、洗濯物の回収に来ない利用客がいる場合、回転率が下がり減収につながるほか、利用者トラブルにもつながりかねません。後続の利用者が無断で洗濯物を取り出してしまったり、洗濯物の盗難被害が発生したりといった利用者トラブルが重なれば、お店の風評にも影響が出てきてしまいます。
利用者トラブルに頭を悩まされる女性

コインランドリー経営のメリット

先述のように、コインランドリー経営はデメリットが多い反面、最適な経営を行えば安定した収入を得られる可能性もあります。コインランドリー経営の主なメリットは以下の3点です。
・ランニングコストの安さ
・利回りの高さ
・土地が狭くても始められる

ランニングコストの安さ

店の規模にもよりますが、かかるランニングコストは売り上げの20~25%程度が目安で、その内訳は洗濯・乾燥にかかる水道光熱費やメンテナンス費用などが主となります。一見ほかの土地活用と大差がないように思われますが、これらのコストは基本的に利用者の人数や利用頻度に応じてかかる費用であるため、ランニングコストに対して利益も比例することがメリットといえます。

利回りの高さ

ランニングコストが安いことは支出が少ないことを意味するため、利回りも高くなりやすい傾向があります。利回りの目安は、10~20%程度であり、店舗や土地を自身が所有しているのか、賃貸なのかによって変わってきます。先述のような条件のよい土地で経営できれば、高い利回りも期待できるでしょう。
利回りの高いコインランドリー経営

土地が狭くても始められる

アパート経営やマンション経営といった不動産投資の場合、ある程度の広さの土地がないと建物を建てることはできません。一方コインランドリー経営の場合、10坪程度の小さな店舗から、駐車場が併設されているコンビニエンスストア程度の大型店舗まで、土地の広さを問わず、経営を始められるケースが多くあります。

コインランドリー経営で儲けるコツ

コインランドリー経営で儲けるために押さえておくべき主なポイントは、以下の3つです。
・立地を考慮する
・収支計画を明確にする
・自分に合った経営方式を選ぶ

立地を考慮する

先ほどもご説明した通り、コインランドリー経営は立地によって売り上げが大きく変わります。単身者層やファミリー層などが多く住む地域や、商業施設が近い土地など、利用が見込めそうな土地に、需要に合う大きさの店舗を出店することが重要といえるでしょう。

収支計画を明確にする

コインランドリー経営は、比較的高額な初期費用がかかります。導入する機械や店舗の大きさなど、かかる初期費用やランニングコスト、売り上げをしっかりとシミュレーションし、利益が見込めるのかを判断しましょう。
収支計画を明確にする経営者

自分に合った経営方式を選ぶ

コインランドリーの経営方式は主に以下の3通りです。自身の目的に合った経営方式を選ぶことで、リスクを適切に管理しながらコインランドリー経営をすることができます。
・個人経営
・フランチャイズ加盟
・土地貸し
個人経営は経営の全てを自身でやらなければいけない反面、売り上げは全て自身の収入となるため、経営が成功した場合はほかの経営方式と比べて収入は多くなります。コインランドリー経営のノウハウが分からない方は、フランチャイズ加盟か、土地貸しによる経営がおすすめです。
フランチャイズ加盟の場合、加盟料の支払いは発生しますが、専門業者のサポートを受けながら経営を行うことができます。土地貸しの場合、コインランドリー経営の専門業者に土地を貸すことで、毎月決まった賃料を得ることができます。コインランドリー自体の経営は業者が行うためリスクが低く、土地活用の初心者でも安心して経営することができる点が特徴です。

コインランドリー経営のリスクが不安なら駐車場経営も検討しよう!

以上のように、コインランドリー経営は高い利回りが見込める一方、成功につなげるにはポイントをしっかりと押さえた経営を行う必要があります。経営方式にもよりますが、「初期費用を抑えたい」「今後その土地を、また別の用途へ転用する可能性がある」という方には不向きな土地活用でしょう。
一方で、そのような方におすすめしたいのが駐車場経営です。駐車場経営の最大のメリットは、その手軽さと投資リスクの低さであり、コインランドリー経営と比較したときの駐車場経営のメリットは以下の通りです。
・初期費用や維持費が安い
・土地形状の制限を受けにくい
・転用性が高い
駐車場経営は、コインランドリー経営と比べて経営に必要な設備やかかる維持費が少ないため、自身で経営を行う場合でも初期費用・ランニングコストが安い特徴があります。特に、一括借り上げ方式での活用方法にした場合、機材の設置をはじめとした初期費用を駐車場運営会社に負担してもらえる場合が多く、安定した収入を得ることができるというメリットもあります。
また、ほかの土地活用方法と比べて土地の広さや形状についての制限を受けにくいため、車が入出庫しやすい場所にある土地であれば、車1~2台程度が確保できる広さから経営することができます。さらに、建物を伴わないので後々売却したくなったり、ほかの土地活用に転用したくなったりといった際の転用性の高さも魅力です。
●駐車場経営にかかる初期費用や経営方法に関する記事はこちら
●そのほかの土地活用のアイデアに関する記事はこちら
駐車場経営

目的に沿った最適な土地活用をしよう!

これまで、コインランドリー経営のデメリットやメリット、経営のコツや駐車場経営との比較について解説してきました。コインランドリー経営は立地を選ぶ土地活用のため、事前の計画が大切である反面、成功すれば高い利回りが期待できるでしょう。
立地条件や、自身がどこまで土地活用に注力できるのかによって、取るべき土地活用の種類や経営方式は変わってきます。なかでも「手軽に安定した収入が欲しい」という方は、駐車場経営も検討してみましょう。
三井のリパークでは、オーナーさまから土地を一括借り上げして駐車場経営を行うため、設備費用はもちろんのこと、運用管理費用もかからない点が魅力です。手軽かつ投資リスクを抑えた土地活用で、毎月賃料として安定した収入を得ることが可能です。※1 さらに、三井不動産グループのネットワークを生かし、転用をご希望の際でもオーナーさまの要望に沿ったサービスを幅広く提案します。土地活用にお困りの方は、お気軽にご相談くださいね。
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●コインパーキング経営のメリットについて詳しくはこちら
※1 建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。
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