2023.07.13

駐車場経営は儲かる?気になる年収とリスク対策を徹底解説

駐車場経営者の年収や事例といった内容からほかの土地活用との収益性の違いについてまで、駐車場を経営するうえで押さえておきたいポイントをご紹介しています。
監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石 泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
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駐車場経営者の年収は?

駐車場経営は、さまざまな土地活用・不動産投資のなかでも手軽で始めやすい方法として人気です。その理由には、初期費用を抑えやすいこと、狭い土地・いびつな形の土地でも経営可能なこと、また始めるのもやめるのも比較的簡単なことなどが挙げられます。所有している土地を活用したい方のほか、副業として興味を持っているサラリーマンの方も多いのではないでしょうか?
そこで気になるのが収益性です。本当に儲かるのかどうかが分からないと、いくら手軽といわれてもなかなか始めにくいものですね。
では、駐車場経営を行うと具体的にいくらほどの年収が見込めるのか、事例を見てみましょう。
●「駐車場経営の年収」に関するよくある質問はこちら
パソコンを打つ手

駐車場経営で得られる年収の例

ここでは、駐車場を自主管理で経営した場合の年収について、月極駐車場の場合とコインパーキングの場合でそれぞれ試算します。

月極駐車場の場合

10台分の駐車場を、1台につき月3万円の賃料で貸し出した場合、月間の売上は3万円×10台で30万円となります。よって年間の売上は、30万円×1年(12ヵ月)で360万円です。※1

コインパーキングの場合

コインパーキングの場合は、通常料金や時間帯最大料金(その時間帯のみ、一定の金額以上は課金されないという料金設定)といったように、駐車料金が一定していません。そのためここでは簡易的に、10台分の駐車場を、1台につき1時間200円で8時間稼働させた場合で試算してみましょう。この場合、月間の売上は200円×8時間×10台×30日で48万円となります。よって年間の売上は、48万円×1年(12ヵ月)で576万円です。※1
上記の売上から、土地にかかる固定資産税、維持費、土地購入ローン、消費税などの経費を差し引いたものが、それぞれのオーナーの年収となります。何となく年収がイメージできたでしょうか?
ただし、試算はあくまで目安であり、賃料はエリアによって幅があります。また、駐車場の稼働率は常に100%とは限らない点にも注意しましょう。

経営方式による年収の差

駐車場経営者の年収は、経営方式を自主管理にするか、一括借り上げにするかによっても差が出てきます。
自主管理とは文字通り、駐車場経営に関する一切を自分で行う経営方式のことです。対して一括借り上げとは、駐車場運営会社が土地を借り上げ、オーナーは運営会社から賃料(借地料)を受け取る方式をいいます。
自主管理の場合は収入が全て自分のものになりますが、一括借り上げの場合は、管理委託費として上記の収入の5〜10%を駐車場運営会社に支払うことになります。ただし、一括借り上げは費用がかかる分、管理業務を全て任せられる、経営状態にかかわらず毎月一定の収入を得られるといったメリットもあります。
そのため、自主管理のほうが高い年収を得られる可能性はありますが、「副業なので手間はかけたくない」「経営リスクを抑えたい」という人にとっては、一括借り上げのほうが気軽で安心ともいえるでしょう。

月極とコインパーキングの特徴を比較

駐車場経営者の年収には、月極駐車場か、コインパーキングかという「種類」も大きく影響します。
月極駐車場とは、利用者と1ヵ月単位で賃貸契約する駐車場のことをいいます。収入は、全台数に対して何台契約があるかによって決まります。対してコインパーキングは、賃貸契約なしで利用時間分の駐車場金を支払うという、時間貸し駐車場のことです。こちらの収入は、24時間のうち何時間利用されるかによって決まります。
収益性で比較すると、それぞれにメリットもデメリットもあるため、まずは両方を把握しておきましょう。
お金とブロック

月極駐車場のメリットとデメリット

月極駐車場を収益性で見た場合のメリットは、利用契約者がいれば安定した収入を見込める点です。また、コインパーキングのように料金精算機を設置する必要がないため、その分の初期費用を抑えられます。
一方のデメリットは、空き車室が出ると収入が大きく下がってしまう点です。空き車室になることを防ぐには、利用契約者を募集する広告・宣伝活動が必要になるでしょう。また、エリアによって料金相場があり、相場以上での貸し出しは難しい点にも注意が必要です。そのため、周辺の競合駐車場が料金をいくらに設定しているか、事前の情報収集は必須となります。

コインパーキングのメリットとデメリット

コインパーキングを収益性で見た場合のメリットは、月極よりも柔軟に料金設定できる点です。深夜料金や時間帯最大料金などを立地のニーズに合わせて設定すれば、月極より高い収入が見込める可能性もあります。
一方のデメリットは、初期費用として設備導入のためのコストが発生する点です。コインパーキングには、料金精算機やロック板などを設置する必要があります。ただし、経営方式を一括借り上げにすれば、設備導入費はもちろん、その後の維持費も運営会社に負担してもらえます。※2
このように一長一短ある月極とコインパーキングですが、どちらを選んだほうが有利かは立地の需要によります。たとえば、駐車スペースの少ない住宅地の中、またオフィスがある地域には月極駐車場の需要が高いでしょう。一方、駅前や繁華街、商業施設や病院などの近くはコインパーキングの需要が高いエリアです。
その土地の需要に合った種類の駐車場であれば、稼働率を維持しやすく、安定した収入を見込める可能性は高くなりますよ。

ほかの土地活用との収益性を比較

土地活用を検討している方のなかには、「駐車場経営よりほかの土地活用のほうが儲かるかも」と、活用方法を迷っている方もいるのではないでしょうか?
実際、土地活用のなかでもポピュラーな賃貸住宅経営を例に挙げると、収益性は駐車場経営よりも高いといわれます。その理由について見てみましょう。
マンションの模型を持つ人物

賃貸住宅経営の収益性

賃貸住宅経営が収益性の面で有利といえるのは、土地を効率的に使えるためです。マンションやアパートは2階建て、3階建てと上階を造ることができるので、同じ土地面積の平面駐車場より収益性が高くなりやすいのです。また、マンションやアパートが建っている土地は「住宅用地」として固定資産税の減税措置を受けられるという、税制上のメリットもあります。
一方注意したいのは、賃貸住宅経営には建物を建てる初期費用が大きくかかる点です。一般的にはローンを利用することになりますが、ローン返済額以上の収益を出せないと赤字になってしまいます。さらにこうした初期費用に加えて、建物の維持管理費(修繕費)もかかること、また建物を建てるので事業開始までの準備期間が長くかかることも考慮しなければなりません。

賃貸住宅経営or駐車場経営の判断基準

高収入かつ節税効果も高いのは賃貸住宅経営ですが、状況によっては駐車場経営のほうが有利といえる場合もあります。自分の場合はどちらがよいのか判断するには、次の要素を基準にしてみましょう。

土地の広さや形状

賃貸住宅経営を行うには、アパートやマンションを建てられるだけの広さが必要です。また、いびつな形の土地では建物を建てにくいので、使いやすく整った形であることも条件となります。「所有している土地が狭い・形がいびつ」という方には、駐車場経営のほうがおすすめといえるでしょう。

撤退のしやすさ

賃貸住宅経営にしても駐車場経営にしても、始めてはみたものの「思うように収益が上がらなかった」ということはあり得ます。また、相続する人が見つからないので手放したいといった事情も、将来出てくるかもしれません。そのような場合、事業撤退しやすく、かつ転用しやすいのは駐車場経営のほうです。
賃貸住宅経営で普通借家契約を結ぶと、貸主の一方的な都合で解約することはできませんが、駐車場の賃貸借契約なら、貸主からの事前予告で解約が可能です。また、駐車場には建物がないので、転用・更地売却する際に時間も費用も抑えられます。

立地や環境

上記のほかに、「立地」「環境」も考慮する必要があります。たとえばその土地が、アパートやマンションの建設ができない用途地域(工業専用地域)だった場合、賃貸住宅経営は難しくなります。また、嫌悪施設(ごみ処理場や火葬場)が周辺にある、駅やスーパーなどから遠いといった場合も、賃貸住宅経営を行うには不利といえるでしょう。
駐車場の場合は用途制限を受けない(詳しくは自治体にご確認ください)という柔軟性があるので、賃貸住宅経営が難しい場合も土地活用のチャンスがありますよ。

知っておきたいリスクと対策

「駐車場経営はローリスク」といわれますが、もちろんリスクが全くないわけではありません。駐車場経営で納得のいく収入を得るには、以下でご説明するリスクについて事前に把握し、対策も講じておくことが大切です。
道標と青空

駐車場経営のリスク

駐車場経営は初期費用が抑えやすいのが特長ではありますが、それでもかかる費用はあります。具体的な初期費用としては、土地を所有していない場合は土地購入費、必要に応じて土地整備費(アスファルト舗装や道路の切り下げ工事など)、設備費(看板やフェンスなど)が挙げられます。ほかに、設備の維持費、管理を委託する場合は管理委託料といったランニングコストも必要です。
また、駐車場経営には「節税になりにくい」というデメリットがあります。土地には固定資産税、さらに該当地域には都市計画税もかかりますが、住宅用地ではない駐車場には減税措置がなく、評価額の満額を支払わなければならないのです。
さらに、駐車場には「常に満車とは限らない」というリスクもあります。事前に収入を高く見積もり過ぎると、いざ経営が始まってから収支計画が狂ってしまい「こんなはずではなかった」と後悔することにもなりかねません。

駐車場経営の収入を上げる対策

駐車場経営には上記のようなリスクがありますが、事前に知ってさえいれば防ぐことは十分可能です。経営を始める前には、次のような対策を取っておきましょう!

初期費用を抑える

まず行いたいのは、初期費用を抑える工夫です。土地を舗装する代わりに、砂利を敷いて区画ロープを張れば初期費用はかなり抑えられます。土地の整備が必要な場合は、複数の工事会社から見積もりを取って費用を比較するようにしましょう。

税金対策を講ずる

駐車場経営には税制上のメリットが少ないのですが、隣接するアパートやマンションの駐車場とすれば住宅用地扱いになり、減税措置を受けられます。また、事業規模によっては、確定申告の際に青色申告を選んで最大65万円の特別控除を受けることもできます。※3初めての確定申告の際は、税理士に相談してどうするのがよいかアドバイスをもらうと安心ですよ。

立地と需要を見極める

駐車場経営においては、立地の見極めが最も重要といっても過言ではありません。駅や病院が近くコインパーキング向きなのか、住宅地の中や集合住宅のそばで月極駐車場向きなのか、また交通量はどのくらいか、土地の駐車ニーズを観察してみましょう。これらのほかに、周囲に競合の駐車場はどのくらいあるか、駐車料金はいくらなのか相場を把握することも大切です。

実質利回りで判断する

「利回り」とは、土地の取得費用に対して1年間の収益がどのくらいの割合になるかを示したものです。利回りの数字が高いほど、初期費用の回収が早いということになります。
この利回りのうち、コストの発生を考慮せずに年間の収益割合のみを示したものが「表面利回り」、表面利回りからコストを差し引いたものが「実質利回り」と呼ばれます。投資においては、より現実的な数字である実質利回りを重視することが大切です。
実質利回りには、想定されるコストをなるべく細かく算入するほか、駐車場の稼働率を70〜80%と低めに抑えて計算すると、より現実的な判断がしやすくなります。

三井のリパークならランニングコストなし!

駐車場経営は、賃貸住宅経営に比べると収益性は低いものの、初期費用が少なくローリスクで始められる点がメリットです。経営開始のハードルは低いのですが、その後の稼働率が安定するかどうかが成功の鍵といえるでしょう。
「土地活用はしたいけれど、稼働率の見通しが立てられないのが不安…」という方には、駐車場運営会社による一括借り上げがおすすめです。三井のリパークは一括借り上げによる時間貸し駐車場なので、経営状態にかかわらず安定収入を得られます。 また、看板や料金精算機などの設備費用、運営管理費も0円なので、初期費用やランニングコストに悩むことなく駐車場経営を行えるのが魅力です。※2
お問い合わせは、WEB上のフォームから24時間受付中!初めての土地活用は、ぜひ三井のリパークへお気軽にご相談ください。
●駐車場経営のご相談・お問い合わせはこちらから
車を運転する女性

「駐車場経営の年収」に関するよくある質問

最後に、この記事でご紹介したポイントを質問形式でまとめました。

駐車場経営で得られる年収は?

賃料×台数×12ヵ月分の売上から、諸経費を差し引いたものが年収となります。ただし、賃料や稼働率は変動する点に注意が必要です。
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駐車場経営は本当に儲かる?

賃貸住宅経営に比べると収益性は低いものの、土地の広さや形状などによっては駐車場経営のほうが向いている場合もあります。
●詳しくはこちら

駐車場経営のリスクは?

税制上のメリットが少ないこと、立地によっては稼働率が低いことなどが挙げられます。リスクを避けるには、事前の対策が必要です。
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※1 表記の金額は一例です。
※2 立地等によってはお受けできない場合もございます。また、建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。
※3 出典:国税庁「No.2072青色申告特別控除」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm
(最終確認日:2023年3月23日)
駐車場経営
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初期費用 設備費用 運用費用 0円
※立地等によってはお受けできない場合もございます。 ※建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさま(土地所有者様)のご負担となります。
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