2024.11.29

自走式駐車場とは?メリットや種類、建設にかかる費用など解説

自走式駐車場とは、運転者が自ら場内を運転して車を入出庫するタイプの立体駐車場です。この記事では、自走式駐車場の種類やメリット、注意点、かかる費用まで解説します。
監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石 泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
https://www.izumi-ohishi.co.jp/profile.html

自走式駐車場(自走式立体駐車場)とは?

自走式駐車場とは、運転者自ら駐車場内を運転し、入出庫するタイプの地上2階建て以上の階層で構成される立体駐車場のことです。一般的にショッピングモールやオフィスビル、大型病院など、比較的大きな施設に導入されています。
立体駐車場には、自走式駐車場のほかにも機械式駐車場という種類があります。機械式駐車場は自走式駐車場と異なり、駐車装置を操作することで車の出し入れを行うタイプの駐車場です。こちらは限られた土地で多くの車を停められるため、都心部のオフィス街やマンションなどを中心に設置されています。
これら2種類の立体駐車場にはそれぞれメリットと注意点があり、かかる費用も異なるため、どちらも理解したうえで導入を決めるべきでしょう。
今回の記事では、商業施設やオフィスビルなどへ立体駐車場の導入を検討している方に向けて、自走式駐車場のメリットから注意点、建設にかかる費用まで幅広く解説します。
都心部のマンションの機械駐車場

自走式駐車場の種類

自走式駐車場には以下の3つの種類があります。
・フラット式
・スキップ式
・連続傾床式
それぞれ詳しく説明します。

フラット式

フラット式は、自走式駐車場のなかでは最も一般的な種類で、各階が水平かつスロープでつながっているタイプの駐車場です。フラット式は傾斜がほとんどない広い駐車スペースが確保されており、駐車する車と昇降する車の動線が異なることから、見通しがよく、安全性が確保されています。また、設計がシンプルなことも特徴の1つです。

スキップ式

スキップ式は、駐車スペースが半階ずつ交互に段違いで配置されたタイプで、フラット式よりも短いスロープで各パーキングエリアがつながっていることが特徴です。スロープが短いため運転者は場内を運転しやすく、一定の方向に巡回する仕組みは駐車場の空きを見逃しにくい利点があります。建物全体の高さを抑えられ、フラット式のように別途スロープ用の長い土地を確保する必要がないため、狭い土地でも建設できます。また、段差や傾斜のある土地にも対応できる点がメリットとして挙げられるでしょう。

連続傾床式

連続傾床式は、各フロアが連続した傾斜床で構成されており、昇降スロープと駐車スペースが一体になっている、らせん型の駐車場です。スロープがなく、フロア面積の利用効率が高いこと、急勾配や急カーブがなく利便性や安全性が高いことが優れた点です。
自走式駐車場を導入する際は、それぞれの形式の特徴を理解し、敷地や予算などの条件を加味したうえでどの種類を導入するか決めることをおすすめします。
自走式駐車場のスロープ

自走式駐車場のメリット

今回の記事で紹介する自走式駐車場のメリットは以下の4つです。
・車の出し入れが比較的容易
・多くの車を収容できる
・災害に強い
・荷物の出し入れをしやすい
以下で1つずつ詳しく解説していきます。

車の出し入れが比較的容易

自走式駐車場は、機械を動かす機械式駐車場と比べると、車の出し入れが簡単にできます。また、場内を複数の車が同時に移動でき、操作は入出庫時の駐車券の受け取りや、駐車料金の支払いだけでよいため、機械式駐車場より入出庫時の待ち時間がかからないこともメリットです。
自走式駐車場の入り口

多くの車を収容できる

自走式駐車場は、駐車スペースを縦に広げられるため平面駐車場と比べて収容台数が多い点がメリットです。敷地が狭く駐車場のスペースを確保できない場合や、ショッピングモール、マンションといった駐車台数が多い施設に向いています。
機械式駐車場の場合、駐車できる車の高さや幅に制限が設けられているケースがほとんどです。一方、自走式駐車場であれば駐車できる車に対する制限が緩く、サイズにかかわらずほとんどの車が駐車できるのもメリットといえます。

災害に強い

災害に強いことも自走式駐車場を導入するメリットの1つです。自走式駐車場は開放性が高く津波の被害を受けにくいといわれています。地震や津波の発生後、被害がなければ、多くの自動車を収容できるでしょう。また、段差のない広いバリアフリーなスペースを生かせば一時避難所や支援物資の発着拠点にもできます。
さらに、機械式駐車場と異なり、自走式駐車場は停電時でも車の出し入れができることや、屋根があるため豪雨による水没の恐れが少ないことも強みです。
近年は、国土交通大臣から防耐火の認定を受けた自走式駐車場も増えており、一般社団法人日本自走式駐車場工業会は、国土交通大臣認定工法で施工された自走式駐車場には認定品表示板を設置しています。

荷物の出し入れをしやすい

機械式駐車場に車を停めている場合、荷物の出し入れは、一度駐車場から車を出さなければならず手間がかかります。一方、自走式駐車場であれば自分のタイミングで荷物の出し入れが可能です。店舗利用者の利便性が高いため、自走式駐車場は特にショッピングモールに併設されるケースが多いでしょう。
大型商業施設の自走式駐車場

自走式駐車場の注意点

自走式駐車場の導入において、注意したい点は以下の2点です。
・複数の規制が設けられている
・事故が発生する恐れがある
それぞれについて1つずつ詳しく解説します。

複数の規制が設けられている

自走式駐車場の建設時、特に注意すべき規制は以下の2つです。
・建築基準法
・駐車場法
建築基準法には、建築物の構造や用途に関する最低の基準が定められており、自走式駐車場も建築物にあたるため、その基準を満たさなければなりません。計画的な街づくりの実現のために、建築基準法で建物の高さや床面積などの基準が決まっている用途地域の場合は建設自体ができない可能性もあります。
駐車場法とは、都市における駐車場整備に関する必要事項が定められている法律です。技術的基準として、駐車場の出入り口の位置や車路の幅、高さなどのルールが設けられています。具体的には「駐車場の出入り口は、幼稚園や小学校の出入り口から20m以内の場所に設置できない」「一方通行でない車路の幅は5.5m以上」「駐車スペースの高さは、はり下2.1m以上」などの基準が定められています。
自走式駐車場の導入を検討している場合には、さまざまな規制を事前に調べ、把握しておくことが大切です。
●駐車場法について詳しくはこちら

事故が発生する恐れがある

自走式駐車場で起こりうる事故として、転落や衝突などが挙げられます。具体的には、「アクセルとブレーキの踏み間違いによってフェンスを突き破り転落してしまう」「狭い駐車場内ですれ違いざまに対向車とぶつかってしまう」といった事故です。ほかにも、「扉の開閉時に左右の車に傷を付けてしまう」「子どもの飛び出し」などの事故も考えられます。
事故防止の対策として「分かりやすい位置に看板を設置すること」や「対向車が見えるような鏡を設置すること」などが挙げられます。万が一事故が起きてしまったときのために、スムーズな対応が取れるよう事前に防犯カメラを設置しておきましょう。事故発生時にはすぐに管理会社へ連絡し、事故の対応をしてもらう必要があります。
自走式駐車場のカーブミラー

自走式駐車場の建設にかかる費用

自走式駐車場の初期費用は、建物を建てる必要があるため平面駐車場と比較すると高くなります。駐車場の規模によって金額は大きく異なりますが、一般的には1台あたり約100万~350万円といわれています。
※費用は、あくまで目安です。規模、条件等により変動する場合があります。業者によって異なりますので、ご注意ください。
また、初期費用のほかに清掃費、メンテナンス費、警備費などさまざまなランニングコストが発生します。メンテナンスでは照明設備の点検のほか、塗膜防水・消防設備の点検補修といった平面駐車場にはないメンテナンスも必要です。定期的にメンテナンスを行わないと、建物の経年劣化によって事故につながる恐れがあるため、運営中の管理を徹底することが重要です。
初期費用が平面駐車場よりも多くかかる立体駐車場

自走式駐車場の管理はプロに任せよう!

自走式駐車場を建設すれば、狭い敷地でも多くの車を収容でき、利用者だけでなく駐車場の事業者にも多くのメリットがあることをお伝えしてきました。一方で、建設後の管理には手間がかかることを理解しておきましょう。
三井のリパークなら、管理委託方式と一括借り上げ方式の2つの運営方式で自走式駐車場の運営サポートを行っています。三井のリパークが提供する一貫体制でのサポートによって、オーナーさまの管理の手間や運営管理コストを削減できます。特に、一括借り上げ方式であれば、管理や設備の設置にかかる費用が0円です。※ 駐車場の管理やトラブル対応まで一任でき、毎月一定の賃料が支払われるため安心の体制となっています。
商業施設や病院等の大型施設への駐車場導入を検討している方や、現在運営している自走式駐車場をはじめとする駐車場の管理の手間を減らしたい方は、実績豊富な三井のリパークへぜひ一度お問い合わせください。
●駐車場経営についてのご相談・お問い合わせはこちら
※立地等によってはお受けできない場合もございます。また、建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。
駐車場経営
お役立ち情報一覧へ戻る
三井のリパークにご相談ください!
運営管理もすべて当社におまかせ!
初期費用 設備費用 運用費用 0円
※立地等によってはお受けできない場合もございます。 ※建物解体、アスファルト舗装、外溝、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさま(土地所有者様)のご負担となります。
コインパーキング経営なら三井のリパーク。
お気軽にご相談ください!