2024.07.18

資金なしで土地活用を行う方法4選!メリットや注意点まで分かりやすく解説

資金なしで土地活用を始める主な方法4つについて、メリットや注意点をご紹介します。
監修者:不動産コンサルタント 秋津 智幸
不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。

資金なしでも土地活用できる?

使っていない土地を所有している方のなかには、「相続された土地活用をしたいけど自己資金を用意できない」「お金のかからない土地活用の方法はあるのだろうか?」と不安や疑問を抱える方も意外と多いのではないでしょうか?
結論からお伝えすると、自己資金なしで土地を活用する方法はあります。お金をかけない、つまり初期費用のいらない土地活用で収益を得られる可能性はあります。
この記事では、資金なしで始められる土地活用の方法を4つご紹介するとともに、始める際の注意点や活用方法の選び方まで解説します。
住宅街にある土地

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資金なしで土地活用を始める方法4選

お金をかけずに土地を活用する方法には、以下の4つが挙げられます。
・土地を信託する
・借地にする
・建設協力金方式を利用する
・等価交換を行う
土地活用方法 メリット 注意点
土地を信託する ・管理の手間がかからない
・土地を失わない
・土地活用に関する知識が不要
・土地によっては土地信託できない場合がある
・土地に一定の広さが必要
・信託手数料がかかる
借地にする ・安定した収入を得られる
・土地を失わない
・借地料はそれほど高くない
・転用性が低い
・契約期間中の土地は利用できない
建設協力金方式を利用する ・金融機関からの融資が不要
・建設協力金を無利息で借りられる
・返済期間が長期間になる
・転用性が低い
等価交換を行う ・交換した不動産によっては収益が期待できる ・相手が簡単には見つからない
・権利関係が複雑化しやすい
・土地の一部を失う
・何と交換するかによる
・交換条件に対する合意が必要になる
それぞれがどのような方法なのかを詳しく見ていきましょう。

土地を信託する

土地信託とは、信託銀行や信託会社など土地活用のプロに土地を預けて収益を上げてもらう方法です。土地オーナーは信託報酬を支払う代わり、信託受益として収益を得るという仕組みです。土地の活用をプロに委託するので、管理の手間がかからず、土地活用に関する詳細な知識も必要ないというメリットがあります。
一方で、土地信託では土地オーナー自身が土地活用方法を選択することはできません。また、そもそも条件が厳しく、信託銀行や信託会社に収益が見込めない土地と判断された場合は、信託契約をすることができない恐れがあり、信託できる土地が限られるという注意点もあります。

借地にする

土地を借地として貸し出す具体的な活用方法には、土地の条件によって主に以下のようなものがあります。
・建物利用のための借地
・駐車場経営
・貸し農園
・資材置き場
・トランクルーム経営
土地を借りた人が自宅や賃貸住宅、ビルなどの建物を建てて利用するために土地を貸し出す借地は最もポピュラーな借地です。特に土地の所有者は貸し出すための費用はかからず、借地料を収益として得られます。ただし、収益性はあまり高くなく、契約内容によっては半永久的に貸し続けることになるものもあります。
駐車場経営は、借地に次いでポピュラーな土地活用方法です。比較的安定した収益が見込める一方、土地活用としては暫定的な方法でもあり、容易に別の土地活用へ変更することもできます。なかでも、土地を駐車場運営会社に貸し出す「一括借り上げ方式」であれば、初期費用なしでほぼ手間をかけずに土地活用が可能です。
市街化調整区域のように建物の建てられない地域の土地であれば、貸し農園や資材置き場として貸し出すことで収益を上げることもできますが、収益性はかなり低いものとなる点には注意が必要です。
なお、土地を貸し出す場合、土地の条件によって借地料が大きく異なります。たとえば建物を建てることを目的とする人に貸すと、長期の借地になるため自分で土地を利用したいと思ってもすぐには利用できなくなりますが、安定した収入を得られるでしょう。
また、借地は契約の種類によって土地の利用期間や返還に大きな違いがあります。借地の契約には大きく普通借地と定期借地があります。普通借地は、契約期間を定めて貸し出すことができますが、一度貸し出すと正当な理由がなければ更新の拒絶ができず、原則としてそのまま貸し続けることになる借地契約です。
一方、定期借地は期間を設けて土地を貸し出し、契約満了後は土地の所有者に原則として更地に戻して返還される借地です。借地権の期限内であれば、毎月安定した収入を得られ、契約期間が満了すると必ず返ってくることが特徴です。普通借地と比べて、土地が必ず返還される点で、借地として貸しやすい契約です。
●定期借地権の種類についてはこちら
●駐車場経営の経営方式に関する記事はこちら
借主に貸している土地

建設協力金方式を利用する

建設協力金方式とは借地契約の一種で、主に事業用建物の建築に用いられる方式です。土地の利用者(借主)が建物の建設費を拠出して建物を建てます。分割で建物の建設費を地代から差し引く形で土地の所有者が支払い、最終的には建物が土地の所有者のものになる仕組みです。
この方式を利用すると、実質的には無利息で建設協力金を借りたことになるので、建物の建設のために銀行からの融資を受ける必要がないというメリットがあります。一方、事業用定期借地で契約することが多いため、比較的長い期間ほかの土地活用に転用できなくなることには注意が必要です。ただし、建設協力金方式を利用することで土地の借り手が自分の好きな建物を建てることができ、利用しやすくなるというメリットもあります。
なお、借主が撤退した場合、後継の借主の誘致が難しくなることがあります。建物自体は前借主の希望に合わせているため、次の借主の希望に合わない場合があるからです。その場合、新たな借主を見つけるために、貸主負担で改修しなくてはならないこともあるため、注意しましょう。

等価交換を行う

等価交換とは、土地の所有者が何らかの開発に伴い、土地と同じ価値分の不動産と交換することです。具体的な例としては、土地を提供する代わりに、その土地に建設した建物の区分所有権を交換することなどが挙げられます。たとえばマンションの住戸と交換した場合、その住戸を賃貸住宅として貸し出すことで収入を得ることができます。
ただし、土地は一般的に敷地権となり、建物を第三者と区分所有することになるため、もともとの土地の権利はなくなります。また等価交換は、開発のように相手から話がないとまず実現されないので、自ら積極的に行うことができる土地活用ではありません。

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資金なしの土地活用で注意すべき2つのポイント

資金なしの土地活用をする際には、主に以下の2つのポイントに注意しましょう。
・収益性が低い場合がある
・土地利用の自由度が低くなる

収益性が低い場合がある

土地活用の方法によっては、収益性が低くなる恐れがあります。たとえば土地信託の場合、信託報酬が発生するため、自分で土地を運用する場合と比較すると収益性は低くなるでしょう。信託報酬の金額は一般的に、土地活用で得られた収益のうち5~20%と設定されます。したがって、収益が思っているより低いということもあるため、信託報酬額や賃料などは必ず事前に確認しておきましょう。
また、建設協力金方式を利用する場合、借地料と建物の建設費のバランスによっては、収入が著しく低くなる恐れがあります。そのため、建設協力金方式の利用時も借主の提案やシミュレーションをしっかり確認しておくことが大切です。またテナントが撤退した場合、土地の所有者は建物の固定資産税や都市計画税といった費用を負担しなければなりません。
土地の模型と電卓とお札

土地利用の自由度が低くなる

資金なしで土地活用をすると初期費用がかからない分、土地利用の自由度が低くなることが多くなりますが、その代わり借地料といった収益を得ることになるので仕方ありません。
ただし、場合によっては、土地の所有権を失う恐れもあります。たとえば等価交換をした場合には、基本的に元の土地の権利は失うことになります。将来的に別の土地活用も検討している方は、活用方法の選択に注意が必要でしょう。

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自己資金なしの土地活用方法の選び方

ここまで資金なしで始める土地活用方法について詳しく紹介してきました。ここからは資金なしで始める土地活用方法の選び方として、以下の4つを挙げます。
・実現性
・収益性
・転用性
・土地の立地や形状
それぞれ順番に見ていきましょう。

実現性

土地信託や等価交換、建設協力金方式による借地は、いずれも土地の条件が合う相手が現れないとそもそも実現できない土地活用です。特に等価交換は、相手から話がなければまず実現しません。この点を踏まえると、自らの意思で行えるこれら以外の借地が実現性の高い土地活用方法といえます。

収益性

資金なしの土地活用方法のなかには、予想より収益性が低くなるものもあります。たとえば、土地信託には信託報酬分の負担があり、建設協力金方式は分割で建物の建設資金を支払うのと同じであるため、収益性が低くなります。等価交換は、交換した不動産によるので、一概に収益性が高いあるいは低いとはいえません。
借地の場合は一定の収益性を確保できますが、アパート経営やマンション経営ほど高い収益性は期待できません。また、借地の場合、長期間土地を自分で自由に利用できなくなることにも注意が必要です。

転用性

土地活用を始める際には、将来のために転用性も考慮しておくとよいでしょう。たとえば借地のなかでも、駐車場経営は建物を建設する必要がないので、解体の手間がかからず転用性が高いことが魅力です。
さらに一括借り上げ方式で経営すれば、運営から管理まで全てを駐車場運営会社に委託できます。三井のリパークでは、一括借り上げ方式での駐車場経営を承っております。転用性の高い土地活用を検討の方は、ぜひお問い合わせください。
住宅街にある駐車場経営の見込める空地
●駐車場経営の基礎知識に関する記事はこちら
●駐車場経営・土地活用に関するご相談・お問い合わせはこちら

土地の立地や形状

土地活用方法を選択する際には、土地の立地や形状を考慮することも重要です。特に立地については、周辺環境や地域の特性によってニーズが異なるためです。たとえば、マンションやアパートの場合、通勤や通学に利用しやすい、商業施設が近いなど利便性の高い立地のほうがニーズは高く、逆に利便性が低いと集客が見込めず、期待した賃料収入が得られないという恐れもあります。
また、所有している土地が変形地や狭小地の場合、可能な土地活用方法が限られます。土地信託では、そのような土地は活用方法が限られるため、断られてしまうこともあります。
繁華街や住宅街などで変形地や狭小地を所有している方には、駐車場経営がおすすめです。車の往来のある道路に接していて、車を停めるスペースさえ確保できれば経営可能であり、人の多い場所は駐車場のニーズも高いといえるためです。
狭小地の駐車場経営

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よくある質問

ここからは、土地活用についてよくある質問にお答えしていきます。

アパート経営は自己資金なしでもできる?

一般的には、自己資金がなければ、アパート経営を始めることはできません。ただし、所有している土地の価値が高く、土地を担保にして建物の建設資金相当の融資が受けられる場合のみ、自己資金がなくてもアパート経営が可能です。
資金に余裕がない場合、賃料収入が減ったとき自己資金を充てることができずにローンの返済が滞ってしまう可能性が高く、最悪、抵当権を行使され、土地と建物を失うリスクがあるため注意が必要です。

土地活用の変わった方法は?

土地活用の変わった方法には、コインランドリー経営、貸し農園などがありますが、コインランドリー経営は自己資金が必要になることが一般的です。また、貸し農園は市街地ではなく、調整区域など建物が建てられない地域の土地や、車の往来がなく駐車場経営も難しい土地などでの活用方法です。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
●土地活用の変わった方法に関する記事はこちら

田舎でもできる土地活用のアイデアは?

田舎での土地活用方法には、貸し農園や資材置き場、キャンプ場などがあります。土地周辺の状況や立地、需要の高さなどを考慮して、その土地に適した活用方法を選択するとよいでしょう。
●田舎で土地活用を成功させるためのポイントに関する記事はこちら

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資金なしで手軽に土地活用を始めるなら駐車場経営

ここまで、資金なしでお金をかけずにできる土地活用方法として、土地信託、借地、建設協力金方式、等価交換の4つの方法をご紹介しました。それぞれのメリットや注意点を踏まえたうえで、自身の状況に合った方法を選択するとよいでしょう。
資金がなくても手間をかけずに安定した収入を得たい方には、借地となる一括借り上げ方式での駐車場経営がおすすめです。一括借り上げ方式とは、土地を駐車場運営会社に貸し出し、毎月一定の借地料を収入として得る方法です。機器・設置・運営管理にかかる費用がないため、自己資金がなくてもほとんどリスクなく容易に始められます。広さや形状にやや難があっても、立地次第では実現可能なうえ、転用性が高いため将来的に別の用途での土地活用を選択できる点もメリットです。
三井のリパークでは、一括借り上げ方式での駐車場経営をはじめ、経営をサポートするさまざまなメニューをご用意しています。
また、三井不動産グループの一員であることから、お客さまのご要望に合わせてその後の土地活用まで柔軟に対応可能です。駐車場経営に興味を持たれた方、土地活用にお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。※
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※立地等によってはお受けできない場合もございます。また、建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。
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