2024.03.07

相続税対策3選!節税のためにできることや注意点なども解説

相続税対策として、生前贈与が可能かどうか気になる方もいるかと思います。この記事では、生前贈与に関するものを含め、相続税の額を減らして節税するために有効な方法を解説します。
監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石 泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
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相続での税金対策とは

相続に関する税金対策とは、相続の際に発生する税額を減らす方法のことです。相続税は亡くなった方から相続したり遺贈されたりした財産にかかる税金です。相続税の対象となる財産は現金や預貯金、土地、家屋など金銭的に見積もり可能な経済的価値を持つもの全てで、相続した遺産総額のうち、基礎控除額「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」の範囲を超えた分が相続税の課税対象となります。
相続税は生前から対策をしておけば減額することも可能ですが、それらの方法についてよく知らない方もいるでしょう。今回は、相続税の額を減らす節税対策に有効な方法について、生前贈与に関するものを含めてご紹介します。
相続税の対象になる財産目録と相続財産

相続税対策[ 1 ] 暦年贈与を行う

相続税対策として、まず、「暦年贈与」が挙げられます。暦年贈与とは、贈与税の暦年課税制度を利用した贈与のことです。
贈与税の暦年課税制度では、毎年1月1日~12月31日の間に贈与された財産の合計額から基礎控除額110万円を差し引き、残りの金額に税率をかけて税額を算出します。その年に、贈与された財産の合計額が110万円以下の場合には贈与税は発生しません
つまり、生前から毎年少しずつ、時間をかけて子や孫に贈与しておけば、1年間当たりの相続財産の額を減らし、結果として相続税の額を抑えることにつながります。
ただし、財産を贈与した者の死亡日からさかのぼって3年前の日から暦年贈与によって贈与された財産に対しては、その贈与により取得した財産の価額が相続税の課税価格に加算されます。また、2023年度の税制法改正によって、2024年1月1日以降には同様に加算される期間が相続開始前から7年間に延長されたため、この点を押さえたうえで、暦年贈与を利用する際はできるだけ早い時期から対策を行いましょう。

相続税対策[ 2 ] 生命保険に加入する

生命保険に加入して非課税枠を活用することも相続税対策の1つです。被保険者が亡くなって死亡保険金を受け取る場合は相続税が発生しますが、保険金の受取人が相続人に指定されていた場合は、「500万円 × 法定相続人の人数」の金額分が非課税となります。
また、「リビング・ニーズ特約」による生前給付金は所得税が非課税となります。リビング・ニーズ特約とは、被保険者の余命が6ヵ月以内と診断されたとき、死亡保険金の全部もしくは一部を受け取れる特約のことです。ただし、リビング・ニーズ特約で受け取った給付金を使い切れぬまま亡くなった場合は残った金額分の相続税が発生するのでご注意ください。
生命保険のパンフレット

相続税対策[ 3 ] マンションやアパートを経営する

遺産として土地を相続した場合には、その土地を活用して賃貸マンションやアパートを経営することで相続税の基準となる評価額を下げられる可能性があります。
相続税は、遺産の総額が大きければ大きいほど税額が増える形式を採用しています。土地や建物などの不動産を相続する場合は「相続税評価額」を用いて計算するため、この評価額が下がると相続税の額が下がります
所有する土地にマンションやアパートのような賃貸用の建物を建てて第三者に貸す場合の土地のことを「貸家建付地」と呼び、賃貸経営のマンションやアパートを相続する場合、その土地は「貸家建付地」扱いとなり、相続税評価額は以下のように、「貸家建付地(土地)」と「貸家の家屋(建物)」の評価額を足して算出します。
・賃貸マンションやアパートの相続税評価額 = 貸家建付地(土地)の評価額 + 貸家の家屋(建物)の評価額
そして、貸家建付地と貸家の家屋の評価額(評価額が下がる割合)は、以下の計算式で算出します。
貸家建付地の評価額 = 自用地の評価額 ×(1 - 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)
貸家の家屋の評価額 = 固定資産税評価額 ×(1 - 借家権割合 × 賃貸割合)
上記のように、賃貸マンションやアパートの評価額は、借地権割合や借家権割合、賃貸割合が差し引かれて算出されますが、空室があるとその分賃貸割合の数字が下がり、それに併せて相続税評価額が上がってしまう点にご注意ください。
なお、土地を相続したのに、資金や相続した土地の状況によって賃貸住宅経営が難しい方には別の土地活用方法として「駐車場経営」をおすすめします。駐車場経営は、貸家建付地としての節税効果は見込めないものの、初期費用を抑えて持続的な収入を得られる可能性があるため、その収入で納税のために使った額を補うことができます。
また、駐車場経営は、賃貸住宅の経営と比べて、転用性が高いというメリットもあります。たとえば、土地活用の第一歩として、まず駐車場の経営から始めて、必要な資金をためてから、費用のめどが立ち次第、賃貸住宅に転用することも可能です。
なお、三井のリパークでは、駐車場経営に必要な機器費用・設置費用・管理費用を0円に抑えて経営を始められます※1。駐車場経営の後に異なる土地活用への変更を希望される場合も、三井不動産グループのほかのサービスと連携して柔軟に対応しますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
●土地活用・駐車場経営のご相談・お問い合わせはこちら

相続の税金対策として生前贈与は有効?

「相続税対策として、生前贈与は有効なのか?」という疑問を持っている方もいるでしょう。先ほど紹介した暦年贈与も生前贈与の1つですが、ここでは、暦年贈与以外に相続税対策として有効な3つの生前贈与をご紹介します。

結婚・子育て資金の贈与

結婚・子育て資金の贈与は、父母や祖父母などの直系尊属から結婚や子育てのために一括で贈与を受けた場合、要件を満たしていれば、18歳以上50歳未満の子や孫1人につき最大1,000万円(結婚している場合は300万円)まで非課税になるというものです。
ただし、結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度を利用するには、金融機関で結婚・子育て資金管理用の口座を開設し、結婚・子育て資金非課税申告書を提出する必要があります。なお、この特例は、令和7年3月31日まで適用されます。詳しくは以下の国税庁のページをご覧ください。
●国税庁「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税」はこちら
子育てをする家族

教育資金の贈与

教育資金の贈与は、父母や祖父母などの直系尊属から通常必要と認められるような教育のために贈与を受けた場合、要件を満たしていると、30歳未満の子や孫1人につき最大1,500万円まで非課税で贈与できるというものです。
贈与された教育資金は、学校の入学費用や授業料などに使うことができます。また、学校以外の教育活動、たとえば、塾やピアノ教室などの習い事にも使うことができますが、学校以外で使う教育資金の上限は500万円までとなっています。
ただし、教育資金の一括贈与の非課税制度を利用するには、結婚・子育て資金の贈与と同様に、金融機関で教育資金管理用の口座を開設し、教育資金非課税申告書を提出する必要があります。なお、この特例は令和8年3月31日まで適用されます。詳しくは以下の国税庁のページをご覧ください。
●国税庁「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税」はこちら

夫婦間の不動産贈与

夫婦間の不動産贈与は、婚姻関係を20年以上維持している配偶者から居住用の不動産を取得するために贈与された金銭について、要件を満たしていれば、基礎控除110万円のほかに2,000万円まで控除(配偶者控除)できるというものです。
なお、この特例で対象となる居住用不動産は日本国内にある物件に限られます。詳しくは以下の国税庁のページをご覧ください。
●国税庁「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」はこちら
夫婦の間で贈与される不動産

死後でも間に合う相続税対策

被相続人が亡くなった後でも、以下にご紹介する税額控除の仕組みを利用することで、相続税の額を抑えることができます。どのような控除があるのか、具体的に見ていきましょう。

配偶者の税額の軽減

「配偶者の税額の軽減」とは、相続をする配偶者が相続税の優遇を受けられる仕組みのことで、配偶者が相続した遺産のうち、1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のどちらか多い金額の範囲まで非課税となります。
この制度を利用するには、相続税の申告期限までに、遺言書や遺産分割協議書の写しなど、配偶者が取得する財産が分かる書類を添えて申告を行う必要があります。

未成年者控除

相続人が未成年で、定められた条件を満たしている場合、相続人が満18歳になるまでの年数に10万円をかけた額が相続税の金額から控除されます。
未成年者控除で控除される額 =(18 - 相続開始時の相続人の年齢) × 10万円
たとえば、相続人が13歳8ヵ月の場合、「相続開始時の相続人の年齢」は、1年未満(8ヵ月)を切り捨て18歳までの5年間として計算し、未成年者控除で控除される額は「5年 × 10万円 = 50万円」となります。

相次相続控除

相次相続控除とは、相続開始前10年以内に、以前(前回)の相続で被相続人が相続した財産に相続税が課されていた場合に、今回の相続人にかかる相続税額から一定の金額を控除することです。
相次相続控除では、相続税の負担が過重とならないように、前回の相続税額のうち一部(1年につき10%の割合で減らした後の金額)を、今回の相続税額から差し引くことができます。

障害者控除

相続人が85歳未満の障害者で、定められた条件を満たしている場合、以下の計算式で算出される額が相続税の金額から控除されます。
障害者控除で控除される額 =(85 - 相続開始時の相続人の年齢) × 10万円
上記の「相続開始時の相続人の年齢」は、未成年控除と同様に、1年未満を切り捨てて計算し、相続人が満85歳になるまでの年数に10万円をかけた金額が控除される額となります。
なお、特別障害者の場合は、「(85 - 相続開始時の相続人の年齢)× 20万円」の額が控除されます。

相続の税金対策はよく調べてから

ここまで、相続税対策として有効な方法をいくつかご紹介してきました。生前からよく調べて準備しておけば、生前贈与を含めたいくつかの方法で相続税対策を行うことが可能ですし、さまざまな税額控除の仕組みを活用することでも相続税を減額することができます。
子や孫に財産を残す場合、財産を現金で相続する場合と、不動産を購入した状態で相続する場合では、不動産のほうが相続税評価額を低く抑えられる傾向があることから、結果的に相続税の額を抑えられる可能性があります。
そのため、生きているうちに土地を購入して何らかの土地活用をすることは、相続税対策をしたり、納税に必要な資金を得たりする有効な方法の1つです。特に、土地を相続して、気軽に土地活用を始めたい方、あまり初期費用をかけたくない方には、駐車場経営をおすすめします。
なお、三井のリパークでは、初期費用0円で駐車場経営を始めることができます※1。24時間365日コールセンターが対応して運営管理を行いますので、初めての方でも負担なく安心して駐車場経営を行うことができます。相続した土地の活用でお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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※1 立地等によってはお受けできない場合もございます。また、建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。
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